高級魚として知られる黒マグロの漁をめぐって、日本の漁業の現場ではいま、思わぬ光景が広がっている。ANNの報道によると、北海道新日高町の沖合では、船が向かった先はサバやブリを取るための定置網だったが、そこにかかっていたのは、海のダイヤとも言われる黒マグロが何匹もという状況だった。
本来なら高級魚が大量にかかれば大喜びのはずだが、現実はそう単純ではなかった。ANNによると、漁師たちは定置網にかかった黒マグロを次々と海に戻していった。せっかく網に入った価値の高い魚を、あえて放流するという判断を迫られているのが、いまの沿岸漁業の実情である。
その背景には、国際的に定められた厳しいルールがある。ANNの報道によると、国際条約の規定の中で、この太平洋沿岸にはあまり多くの捕獲数量があてがわれておらず、そのため黒マグロは基本的にすべて放流せざるを得ないという。こうした状況は北海道にとどまらず、日本各地で起きているとされる。
厳格な規制が敷かれているのには、資源をめぐる深刻な経緯がある。ANNによると、黒マグロはかつて資源量が歴史的な低水準まで落ち込み、危機的な状況に陥っていた。このため国際会議の場で厳しい規制が導入され、漁獲に強い制限がかけられることになった。
その規制は、一定の成果を上げてきたとされる。ANNの報道によると、規制の導入後、黒マグロの資源量は急速に回復し、二〇二一年には合意された目標を上回る状態にまで戻った。資源が回復したことで、漁獲枠のあり方を見直す機運が高まっているとみられる。
こうしたなか、その黒マグロの漁獲枠をめぐって国際的な協議の場が設けられた。ANNによると、長崎市で国際会議が行われており、十二の国と地域が参加して、今日から本格的な議論が始まった。資源回復を踏まえ、各国がどこまで漁獲枠の拡大を認めるかが焦点となる見通しである。
会議の日程と、その先の手続きも示されている。ANNの報道によると、一連の議論は十四日まで行われ、合意に至れば、十一月から始まる国際会議で正式に決定される見込みだという。会議の行方には、黒マグロを扱う都内の寿司店なども期待を寄せており、結論次第で流通や価格にも影響が及ぶ可能性がある。
