日本航空は、ことし5月に広島発羽田行きの便で乗務前に過度な飲酒をしていた客室乗務員2人について、懲戒処分を発表した。50代の女性客室乗務員を懲戒解雇とし、30代の女性客室乗務員を出勤停止とする内容となっている。あわせて、社長を含む役員らの報酬も減額するとしている。
問題となったのは、5月に広島発羽田行きの便に乗務する前の出来事である。50代と30代の女性客室乗務員2人は、運航規定に違反する過度な飲酒をしていた。乗務前のアルコール検査ではアルコールが検知され、これにより航空機の出発はおよそ40分遅れる事態となった。
今回の処分が重くなった背景には、検査で問題が発覚した後の対応がある。日本航空によると、2人の客室乗務員はアルコールを摂取していた事実を隠したうえ、虚偽の報告を行っていた。飲酒そのものに加え、その後の不誠実な対応が強く問題視された形である。
こうした事実を踏まえ、日本航空は2人に対して異なる重さの処分を科した。事実を隠し虚偽の報告をしたとされる50代の女性客室乗務員については、最も重い懲戒解雇とした。一方、30代の女性客室乗務員については、出勤停止の処分とした。
処分の対象は、当事者の乗務員だけにとどまらなかった。日本航空は、社長をはじめとする役員らについても、月額報酬を減額する処分を決めた。安全運航にかかわる規律の問題について、経営側もみずから責任を負う姿勢を示した形となる。
この問題をめぐっては、国の対応もあった。国土交通省は12日、日本航空に対して行政指導にあたる厳重注意を行っている。そのうえで、社員一人一人に安全意識がいまだ徹底されていないとして、再発防止策を報告するよう求めていた。
航空業界では、乗務員の飲酒をめぐる問題が過去にも繰り返し明らかになっており、社会的な関心は高い。乗客の安全に直接の影響はなかったとされるものの、規定違反とその後の虚偽報告が重なったことで、今回の処分は厳しいものとなった。日本航空は再発防止に向けた取り組みを進めるとしている。
