大阪メトロの河井英明会長が、去年開かれた大阪・関西万博で運行された電気自動車のバスをめぐる問題の責任を取り、辞任したことが分かりました。相次ぐ車両のトラブルによってバスの使用を停止せざるを得なくなり、多額の損失を計上する事態となったことを受けたもので、経営責任を明確にする形となりました。
問題となったのは、万博の会場周辺などで運行されていた電気自動車のバスです。車両のトラブルが相次いだことから、大阪メトロは安全を確保できないと判断し、これらのバスの使用を停止する対応を取りました。来場者の輸送を担う重要な足であっただけに、その停止は大きな影響を及ぼしました。
大阪メトロは、国や大阪府の補助金を活用して、この電気自動車のバスを合わせて百九十台購入していました。万博の期間中、大勢の来場者を運ぶための輸送手段として導入されたもので、環境に配慮した新しい交通の形としても注目を集めていました。
しかし、相次ぐトラブルによって、当初描いていた計画は大きく狂うことになりました。大阪メトロは、万博の閉幕後に、これらのバスを通常の路線バスに転用して活用する考えでしたが、車両の不具合を受けて、その転用を断念する判断を下しました。
こうした一連の問題は、大阪メトロの経営にも重くのしかかりました。直近の決算では、補助金の返還分なども含めて、六十七億円にのぼる特別損失を計上する事態となり、多額の負担を抱えることになりました。
大阪メトロは、電気自動車のバスを購入するに至った経緯などについて、社内で調査を進めています。会社はこの調査の結果をまとめた報告書を公表するとしており、問題がどのように起きたのか、その全容の解明が求められています。
今回の辞任は、こうした一連の問題に対する経営責任を明確にするものとなりました。公共交通を担う企業として、多額の公的な資金も投じられていただけに、大阪メトロが失った信頼をどのように取り戻し、再発の防止につなげていくのかが、今後問われることになります。
