北海道根室市で続く大規模な断水は、発生から二日目を迎えても収まらず、影響を受ける範囲はむしろ拡大した。当初はおよそ六千戸だった断水が、昨日には市内のほぼ全域にあたるおよそ一万三千戸にまで広がり、多くの市民が水の出ない生活を強いられている。市は応急の給水場を設けて対応に追われている。
今回の大規模な断水の原因は、実は気温だったことが分かってきた。北海道によると、市内の水源の一つとなっている沼で、水面が一面、緑色のもので覆われる事態が起きていた。根室市では七月の平均気温が今年は平年を上回る状態が何日も続いており、その影響で沼の水温が上昇し、藻が大量に増殖したとされる。
増殖した藻は、やがて浄水場のろ過装置に流れ込み、装置の目詰まりを引き起こした。これが浄水の機能を低下させ、市内への送水が滞る大規模な断水につながったという。通常であれば装置を逆流させる水で洗浄するところだが、断水そのものによってその水すら確保できず、当初は復旧作業も思うように進まなかった。
断水は市民生活や地元産業に重くのしかかった。市内のある水産加工会社では、水が少し出始めても泥水の状態で使えないままだった。この会社では一日に三百キロものカニを茹でるというが、昨日は泥水のためにほとんど茹でることができず、加工前のカニを一時的に氷漬けにして復旧を待つほかなかった。食器を洗えるほどの水の量も確保できないという声も聞かれた。
医療の現場にも影響が及んだ。市内のある病院では、予定していた手術が延期を余儀なくされたという。事態を受けて北海道は、自衛隊に対して災害派遣を要請し、断水が長引く市民生活への支援を求めた。
その後、復旧作業は前進した。関係者が洗浄に必要な水を確保してろ過装置の洗浄を行い、洗浄はすでに完了したという。北海道と根室市によると、昨日の午後六時ごろには、およそ四千七百件で水道水を飲み水として使用できることが確認された。
市は今日も午前六時から給水場を開設し、明日の完全復旧を目指すとしている。今回の断水は、記録的な暑さが水道インフラの弱点を突いた形となった。日本列島では各地で猛暑が続き、連日の猛暑日となる恐れがあるなか、熱中症への警戒も改めて呼びかけられている。
