ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議、イコモスは、奈良県が世界遺産への登録を目指してきた「飛鳥・藤原の宮都」について、世界文化遺産に登録するよう勧告しました。ANN News 24Hが伝えたところによりますと、これにより、この貴重な遺産群が正式に世界遺産となることに向けて、大きく前進することになりました。
「飛鳥・藤原の宮都」は、奈良県の橿原市と桜井市、それに明日香村にまたがって所在する遺産群です。今回の登録勧告を受けて、地元の三つの自治体を中心に、長年の取り組みが実を結ぶ形となり、関係者の間では喜びの声が広がっています。
この遺産群は、六世紀の末から八世紀の初めにかけての、天皇の宮殿の跡や役所の跡、仏教寺院の跡、そして墳墓など、あわせて十九の資産で構成されています。日本の国家の形成期にあたるこの時代の姿を今に伝える、歴史的にも極めて重要な遺跡群とされています。
具体的には、天皇の宮殿があったとされる明日香村の飛鳥宮跡や、橿原市の藤原宮跡が含まれています。さらに、日本で初めての本格的な寺院の跡とされる飛鳥寺跡や、極彩色の壁画「飛鳥美人」で知られる高松塚古墳なども、構成資産に名を連ねています。
今回のイコモスの勧告について、松本洋平文部科学大臣は談話を出しました。この中で松本大臣は、我が国の貴重な文化遺産が国際的に高い評価を受けたことを大変喜ばしく思うと述べ、登録勧告を歓迎する姿勢を示しています。
さらに松本大臣は、構成資産のすべてについて特段の留保もなく、ほぼ満点と言える勧告を頂けたものと考えるとも述べました。一部に条件が付くことも少なくない中で、留保なしでの登録勧告となったことを、高い評価の証だと受け止めているとみられます。
今回の勧告に基づいて、「飛鳥・藤原の宮都」は、七月十九日から二十九日にかけて韓国の釜山で開かれるユネスコの世界遺産委員会で審査される見通しです。この場で正式に登録が決まれば、日本国内では二十二件目の世界遺産となる見込みで、今後の審査の行方に関心が集まっています。
