岐阜県高山市で、この時期ならではの賑やかな伝統行事、飛騨の泣き相撲が行われた。赤ちゃんの元気な泣き声が会場に響きわたり、訪れた家族連れを和ませる、毎年恒例の催しとなっている。
この泣き相撲は、単なる催しではなく、深い願いが込められた行事である。赤ちゃんの泣き声によって厄を払うとともに、その幸せと健康を願うもので、今回で十二回目を迎えた。
今年も多くの赤ちゃんが集まった。地元をはじめ、東京都や岡山県といった遠方からも、去年生まれた赤ちゃんおよそ三百人が参加し、会場は親子連れで大いに賑わった。
土俵に上がる赤ちゃんたちの装いも、この地域ならではのものだった。赤ちゃんたちは、飛騨の民芸品として広く知られるさるぼぼの衣装に身を包み、保護者に抱えられて土俵へと上がっていった。
勝負のルールは、いたってシンプルである。土俵の上で、先に泣いたほうが勝ちとなる決まりで、赤ちゃんたちの表情に会場の視線が集まった。
もっとも、赤ちゃんたちの反応はさまざまだった。すぐに泣いてしまう子がほとんどだったが、中には始まる前からすでに泣いている子や、まったく泣かない子もいて、ほほえましく行事を和ませていた。
この日は、会場に華を添える来場者もあった。港川部屋の力士も会場を訪れ、参加した人たちは力士と一緒に記念写真を撮るなどして、思い出に残る一日を楽しんでいた。
