人気漫画、北斗の拳の主人公であるケンシロウを、まるごと金で表現した等身大の像が、ある展示会で初めてお披露目された。高さは百九十三センチに達し、全身に本物の金がまとわされた姿は、来場者の視線を一身に集め、会場でひときわ目を引く存在となっている。
輝く金が、ケンシロウの鍛え上げられた筋肉の起伏と重なり合うことで、独特の迫力を生み出している。実際に像を目にした来場者からは、本物の金が光っていて、それが筋肉と重なって格好いいといった、感嘆の声が上がっていた。立体的な造形と金の輝きが組み合わさった見栄えが、人気の理由になっているとみられる。
気になるのは、その価格である。この黄金のケンシロウ像には、およそ千五百枚もの金箔が使われており、値段は四千四百万円に設定されている。漫画のキャラクターを題材にした像としては破格の水準であり、贅を尽くした一点物としての性格が際立っている。
過去に作られた同じような金の像と比べると、その位置づけが見えてくる。同じくらいの身長の黄金の大谷翔平の像は当時五千五百万円、少しだけ高い金箔のゴジラは当時一億一千万円だったという。こうした顔ぶれと並べてみると、今回のケンシロウ像の価格も、その系譜の中に位置づけられる。
会場には、北斗の拳の原作者本人も姿を見せていた。自身が生み出したキャラクターが、まさか金箔の像になるとは思っていなかったといい、見ただけでドキドキするなどと、驚きと戸惑いの入り混じった心境を率直に語っていた。作り手にとっても予想を超えた展開だったことがうかがえる。
一方で、この等身大のケンシロウ像を実際に購入した人は、まだいないという。ただし、より小ぶりなものでは需要があり、高さ十一センチ、およそ五百三十六万円の純金製のケンシロウは、すでに一体が売れたということである。手の届く大きさの商品には、確かな買い手がついている形だ。
こうした高額の像をめぐっては、世の中には金持ちがいっぱいいるのだな、といった率直な感想も聞かれた。漫画やアニメの人気キャラクターを、本物の金で立体化するという試みは、コレクター心理と富裕層の購買力が交わる、独特の市場の存在を改めて浮かび上がらせている。
