福井県の動物園で脱走の女王として親しまれたメスのレッサーパンダ、ミンファが十九歳で亡くなった。人間でいうと約九十歳に相当し、老衰によるものとみられている。
ミンファが脱走の女王と呼ばれるようになったきっかけは今から十八年前にさかのぼる。福井県の動物園に来て一ヶ月が過ぎた頃、フェンスを飛び越えて園外に脱走し、およそ百五十人が捜索する大捕り物となった。
さらにその後も高い身体能力を生かし、何度も脱走を繰り返したことで脱走の女王という異名がついた。その愛らしい姿と冒険心は多くの来園者に愛された。
ミンファの子どもや孫、ひ孫、やしゃごは全国の動物園に四十頭以上いるという。その血統は日本のレッサーパンダ飼育の歴史において重要な役割を果たしてきた。
動物園の関係者はミンファの死を悼み、長年にわたり多くの来園者に愛されてきたことへの感謝の意を表した。園内には追悼の場が設けられる予定である。
レッサーパンダは絶滅危惧種に指定されており、動物園での繁殖プログラムは種の保存にとって極めて重要とされている。ミンファはこの取り組みに大きく貢献した。
ミンファの冒険的な性格と脱走の逸話は、動物園の歴史に残る伝説として語り継がれることだろう。その生涯は動物と人間の絆の深さを改めて感じさせるものであった。
