電力の安定した供給などを目指す改正電気事業法が、十七日の参議院本会議で可決され、成立しました。この改正は、送電網や発電所の整備を後押しするとともに、太陽光発電の設備の安全性を高めることなどを柱としており、エネルギーの安全保障にもつながる取り組みとして位置づけられています。
参議院本会議での採決では、投票総数二百四十三票のうち、賛成二百二十七票、反対十六票の賛成多数で可決されました。すでに衆議院を通過していたことから、参議院での可決によって、法律として成立することになりました。
改正法では、地域内や地域間をつなぐ大規模な送電網や、大規模な発電所の整備を進めるため、新たな資金の貸付制度が設けられます。経済産業大臣が整備の計画を認定したうえで、電力広域的運営推進機関が、財政投融資などを活用して、整備に必要な資金を貸し付ける仕組みです。
また、大規模な発電所を運営する事業者が、その発電所を急に休止したり廃止したりする場合には、送配電を担う事業者などと、あらかじめ協議を行うことが求められるようになります。発電所が急に止まることで供給に支障が出ることを避け、電力の供給力を安定して確保するためのねらいがあります。
さらに、太陽光発電の設備をめぐる安全対策も強化されます。設計の不備による事故を防ぐため、設備を支える構造物などについて、工事を始める前に、第三者機関が技術の基準に適合しているかどうかを確認する仕組みが導入されます。
加えて、製品の不良や施工の不良など、設備を設置した人だけでは原因の究明や再発の防止が難しい場合には、製造や輸入販売を手がける事業者、工事を行う事業者に対して、必要な協力を求めることができるようになります。事故の原因をより的確に突き止められるようにする趣旨です。
背景には、電力の安定供給を確保し、エネルギーの安全保障を進める必要性の高まりがあります。電力を安定して届けるための基盤をどう整えていくのか、そして再生可能エネルギーの設備の安全をどう守っていくのか、今回の改正が実際の現場でどのように生かされるのかが、今後注目されることになります。
