人気アイドルグループ嵐のライブツアー最終公演が行われた東京ドームに不正侵入したとして、七十代の男一人と二十代の男二人の計三人が建造物侵入の疑いで現行犯逮捕された。最終公演という特別な機会を狙った犯行であり、コンサート会場のセキュリティ体制に改めて課題を突きつける事件となった。
捜査関係者によると、七十代の男はヘルメットをかぶって作業員を装い、関係者専用の入口から東京ドーム内部に侵入した。この巧妙な手口により、会場スタッフの目を欺いて警備の厳しいエリアへのアクセスに成功していた。長年の経験に基づく周到な計画であったとみられている。
二十代の男の一人は、以前東京ドームでアルバイトをした際に取得した職員証を不正に使用し、関係者用の入口から侵入した。もう一人の二十代の男は、身分証明カードを偽造して来場者用の入口から堂々と入場していた。三人はそれぞれ異なる手口で会場に侵入しており、組織的な計画ではなかったとみられている。
逮捕後の取り調べに対し、三人はそれぞれ容疑を認めている。七十代の男は嵐のファンであったと供述し、二十代の男のうち一人は撮影した写真を販売する目的があったと説明した。ファンとしての熱意や金銭目的が犯行の動機であったことが浮かび上がっている。
嵐は日本を代表するアイドルグループとして長年にわたり絶大な人気を誇っており、そのライブチケットは常に入手困難な状況が続いている。最終公演ともなれば希少価値はさらに高まり、不正な手段を使ってでも会場に入ろうとする者が現れるリスクが指摘されていた。
東京ドーム側は今回の事件を受け、関係者用入口での身元確認体制の強化や職員証の管理方法の見直しを検討する方針を示した。特に過去にアルバイト経験のある者が退職後も職員証を保持していた点は、重大なセキュリティ上の問題として認識されている。
この事件は大規模イベント会場におけるセキュリティ管理の難しさを改めて浮き彫りにした。作業員への偽装や偽造カードの使用など、手口が多様化するなかで、主催者側には入場者の本人確認をより厳格に行うとともに、関係者証明書の発行と回収の管理を徹底することが求められている。警察は三人の余罪についても調べを進めている。
