日本銀行は16日、金融政策決定会合で利上げを決めた。政策金利である短期金利の誘導目標を、これまでの0.75%程度から1%程度に引き上げる。利上げは去年12月以来、半年ぶりとなり、金融緩和からの正常化に向けた歩みをさらに進める判断となった。
政策金利が1%程度となるのは、実に31年ぶりの水準である。多くの現役世代がこれまで経験したことのない金利の高さであり、金利は暮らしや企業の活動に幅広く影響する。日銀は、適切なタイミングでの判断が求められる中での決定だとしている。
今回の会合は、入院中の植田総裁が不在という異例の状況で行われた。植田総裁は書面で意見を提出し、総裁を除く政策委員八人のうち七人が利上げに賛成した。総裁が出席できないまま重要な政策判断が下される、極めて珍しい会合となった。
日銀はこれまで、中東情勢が物価と景気に与える影響を慎重に見極めてきた。今回の決定では、経済が大きく下振れするリスクは低下したという見方を示す一方、物価については今後、幅広い品目の値上げにつながる可能性があると指摘した。日銀内では、想定以上のスピードで価格転嫁が進んでいるとして、物価上昇への警戒が強まっていた。
物価高の一因となっている円相場は、1ドル160円台という歴史的な円安水準が続いている。今回の利上げをめぐっては、円安に歯止めをかける効果が期待されるという見方も指摘されている。市場では今回の利上げは確実視されており、関心はすでにその先の利上げの行方へと移っていた。
日銀は、国債の買い入れについても新たな方針を決めた。現在は3カ月ごとに二千億円程度ずつ買い入れ額を減らしているが、来年4月以降は、この減額を停止することを決定した。長期金利の動向にも配慮しながら、政策運営を進めていく姿勢を示した形である。
今回は入院中の総裁に代わり、内田副総裁が午後に記者会見を行う。金融政策のキーマンである内田副総裁が、今後の利上げの道筋をどう描くのかに市場の注目が集まっている。日銀の次の一手を見極めようと、関係者は会見の内容を注視している。
