LIVE consensus avg84%
UTC--:--:-- edition--.--.--

厚生労働省、世界初のウイルスを使った食道がん治療薬の製造販売を了承

厚生労働省、世界初のウイルスを使った食道がん治療薬の製造販売を了承

厚生労働省の専門部会がオンコリスバイオファーマのテロメライシンの製造販売を了承した。がん細胞でのみ増殖するウイルスを使った食道がん治療薬は世界初で、臨床試験では50%の患者のがんが消失した。

厚生労働省の専門部会は、オンコリスバイオファーマが開発した食道がん治療薬テロメライシンの製造販売を了承した。この薬はがん細胞でのみ増殖するよう遺伝子組み換えを施したウイルスを患者の食道に直接投与し、がん細胞を内側から破壊する仕組みを持つ。ウイルスを使った食道がんの治療薬としては世界初の承認となる。

臨床試験では36人の食道がん患者を対象に、放射線療法と併用してテロメライシンを投与した結果、投与から18カ月後には半数にあたる18人のがんが完全に消失するという画期的な成果が確認された。従来の食道がん治療では手術や化学療法が主な選択肢であったが、ウイルス療法の登場により患者の負担が軽減され、治療の選択肢が大きく広がることが期待されている。

テロメライシンは腫瘍溶解性ウイルス療法と呼ばれる治療法の一種で、正常な細胞には影響を与えずにがん細胞のみを標的とする点が最大の特徴である。投与されたウイルスはがん細胞内で増殖し、細胞を破裂させて死滅させる。さらに、破壊されたがん細胞からウイルスが放出されることで周辺のがん細胞にも連鎖的に感染し、治療効果が広がるメカニズムを持つ。

食道がんは日本において年間約2万5000人が新たに診断される疾患であり、発見時にはすでに進行しているケースも多い。特に手術が困難な患者にとって、放射線療法との併用で高い効果を示すテロメライシンは新たな希望となる可能性がある。オンコリスバイオファーマは今後、他の消化器系がんへの適応拡大も視野に入れて研究を進めるとしている。

世界のがん治療研究においてウイルス療法は注目分野の一つであり、日本がこの分野で世界初の承認を獲得したことは国際的にも大きな注目を集めている。米国や欧州でも類似のアプローチによるがん治療薬の開発が進んでいるが、食道がんに特化した承認は他に例がない。今回の承認が今後のがん治療のパラダイムシフトにつながるかどうか、医学界は大きな関心を寄せている。

Loading article...