高市総理大臣が来月上旬にインドを訪問し、モディ首相と首脳会談を行う方向で調整に入ったことが分かった。今回の訪問はモディ首相からの招待に応じる形で実現するもので、世界最大の人口を抱えるインドとの関係を一段と深める狙いがあるとみられる。両政府は訪問の日程をめぐり、最終的な詰めの調整を続けている。
会談の舞台として検討されているのは、インド北東部のアッサム州である。同州ではインド政府が半導体工場の建設を進めており、日本とインドが先端産業の分野で協力を拡大していく象徴的な場として位置づけられる見通しだ。会談地の選定そのものが、両国が描く経済連携の方向性をはっきりと映し出している。
高市総理が今回のインド訪問で最も重視しているのが、経済面での協力の強化である。巨大な市場と豊富な人材を抱えるインドは、日本企業にとって生産と販売の双方で重要性を増しており、半導体をはじめとする戦略的な産業での連携の在り方が、首脳会談の主要な議題になるとみられる。
経済にとどまらず、安全保障分野での連携も今回の会談の柱となる。両首脳は、地域で覇権的な動きを強める中国を念頭に置きつつ、インド太平洋地域の安定に向けた協力の在り方について意見を交わす方向だ。日本とインドの戦略的な接近は、地域全体の力の均衡にも影響を及ぼしうる。
高市総理とモディ首相の会談が実現すれば、去年十一月に開かれたG20サミットでの会談以来、二度目の直接対話となる。前回の会談で築いた信頼関係を土台として、今回はより具体的な協力の枠組みへと議論を進めることが期待されている。
一方で、来月以降の外交日程は過密になりつつある。高市総理は七月に予定されているトルコでのNATO首脳会合への出席についても調整を進めており、インド訪問との両立が課題となる。政府は会期中の国会日程も考慮に入れながら、訪問の可否と時期を慎重に見極める方針だ。
高市総理にとってインド訪問は、就任後の外交方針を内外に示す重要な機会となる。経済と安全保障を結びつけたインドとの連携の強化は、日本の対外戦略の中でも比重を増しており、今回の首脳会談に向けた調整の行方が、今後の両国関係を占う一つの試金石になるとみられる。
