アメリカとイランが、カタールの首都ドーハで間接的な協議を行った。両国の対立が続くなか、事態の沈静化に向けた外交の動きとして注目されており、カタールなどが仲介役を務めているとされる。
この協議に関連して、イランのペゼシキアン大統領は、イランの凍結資産のうち60億ドル、日本円にしておよそ1兆円がカタールを通じて解除される見通しになったと明らかにした。大統領はこれを「イラン国民にとって偉大な勝利だ」と表明し、成果を強調した。
アメリカ側では、トランプ大統領がカタールに特使を派遣した。特使のウィトコフ氏と、大統領の娘の夫であるクシュナー氏はドーハに滞在し、30日にはカタールのムハンマド首相と会談したものの、イラン側とは直接協議せず、仲介役と会談する形をとっているという。
一方、イランからは国際問題を担当するガリババディ外務次官がドーハ入りしたが、アメリカとの直接協議は行わない方針だとされる。イラン側は今回の接触について、凍結資産の解除に焦点を置くものだと説明している。
今回の動きは、ホルムズ海峡をめぐる激しい攻撃の応酬のあとに起きた。アメリカ軍がイラン国内の軍事施設などを空爆し、これに対してイランがクウェートやバーレーンにあるアメリカ軍基地にミサイルやドローンで報復するなど、緊張が続いていた。
両国は戦闘終結を宣言した覚書きに署名していたが、その後の攻撃の応酬をめぐって互いに覚書きへの違反だと非難しあっており、今後の協議に影響を及ぼす可能性も指摘されている。アメリカのニュースサイトは、両国が攻撃を停止することで合意したと伝えている。
こうした情勢を受けて、市場ではホルムズ海峡の正常化への期待などから原油価格が下落し、ニューヨーク市場では一時1バレル69ドルを割り込んだ。ただ、日本のガソリン価格は最新のデータで1リットルあたりおよそ167円と、攻撃前より40円ほど高い水準にとどまっており、家計への影響が続いている。
