国会で防衛省設置法等の改正法案の審議が行われ、小泉進次郎防衛大臣が議員からの質問に答弁した。法案は、宇宙やサイバーといった新たな領域への対応能力を高めることを柱とし、政府は戦後最も厳しく複雑とされる安全保障環境を踏まえ、防衛力の抜本的な強化につなげたい考えだ。
小泉防衛大臣は、本法案によって宇宙作戦集団を新たに編成するとともに、自衛隊サイバー防衛隊を増強すると説明した。これにより、指揮統制や情報収集の基盤となる宇宙・サイバー領域の防衛体制を強化し、安定的にこれらの領域を活用できる態勢を整えるとした。
宇宙領域については、指揮統制や情報収集にとどまらず、国民生活を支える基盤そのものであるとの認識を示した。そのうえで、航空自衛隊を航空宇宙自衛隊へと進化させることが、抑止力と対処力の強化に大きく貢献するとの考えを述べた。
あわせて、宇宙分野では日本とアメリカの連携が不可欠だとして、その調整などを担う宇宙支援隊を設けると説明した。我が国自身の能力を強化するとともに、アメリカとの連携を一層強化していく方針を示している。
人材面では、人口減少という厳しい現実を踏まえ、自衛官の処遇改善に取り組むとした。各基地などにおける女性区画の整備や、令和10年からの自衛官定年の引き上げといった取り組みを通じて要員を確保し、隊員一人一人の能力を最大限に引き出すとしている。さらに、無人化や精緻化を徹底して推進し、防衛省・自衛隊の変革につなげる考えだ。
海洋安全保障に関しては、海底ケーブルや海底資源開発における監視体制の構築と、緊急事態への対処要領について答弁した。海底ケーブルや海洋施設の安全確保は重要だとして、政府全体で関連事業者と連携し各種の施策を実施しているとし、緊急時にはその推移に応じて自衛隊に各種の行動を命ずる考えを示した。
質問に立った議員は、南西諸島の防衛や自衛隊員の確保と処遇改善に加え、海底ケーブルの防御の重要性を指摘した。日本の国際通信の9割以上が海底に敷設された光ファイバーケーブルを経由しているとし、レアアースやメタンハイドレートといった海底資源の開発と、その安全確保、さらに日米の宇宙安全保障協力の現状と展望についても質問した。
