福岡県議会で正副議長のポストをめぐり現金がやり取りされたとされる疑惑で、中尾正幸副議長が副議長の職と、あわせて県議会議員の職を辞することを表明しました。中尾氏は、自身に対する県民の信頼が大きく損なわれているとして、その職にとどまることはできないと判断したと説明しています。
中尾氏は辞職を表明するにあたり、三月十四日の会見での自身のやり取りや発言について、県民の誰一人として納得できなかったと思うと振り返りました。一連の疑惑への対応をめぐって説明が二転三転してきたことが、信頼を失う大きな要因になったとの認識を示した形です。
この疑惑は、正副議長のポストをめぐって自民党県議団の幹部らに現金が渡されていたとされるもので、以前に議長を務めた県議が総額でおよそ二千万円が支払われたと告発していました。告発では、四百万円や五百五十万円、一千万円といった金額を持参するよう指示され、人の弱みにつけ込んだ要求だったとされ、中尾氏はその現金を受け取った側の一人として名指しされていました。
これに対して中尾氏は、金銭の授受はいっさいなかったと一貫して主張しており、辞職を表明した今回も改めてこれを否定しました。そのうえで、自身を名指しで告発した県議に対しては、名誉毀損で提訴する考えを明らかにしました。
中尾氏は当初、証拠として公表された音声データについて、自身の声を使ってAIが作り出したものだと訴えていました。しかし、その後の会見でこの主張を撤回し、自分の声であると認めるなど、説明が揺れていました。金銭の授受を否定する一方で、音声そのものが偽造だとする説明は取り下げた形です。
同じく現金授受の疑惑で名前が挙がっているのが倉内勲議長です。中尾氏は今朝、倉内議長に対して辞職の申し入れを行いました。その倉内議長は前日に首相官邸を訪れ、高市総理と懇談していたことも明らかになっており、批判が集まっていることについて、謙虚に受け止めていると述べています。
中尾氏は会見で、倉内議長は自分をずっと支えてくれた大きな存在だとしたうえで、今後もしっかりとついていきたいという考えを示しました。福岡県議会をめぐるいわゆる政治とカネの疑惑は、副議長の辞職表明によって新たな局面を迎えており、県民の不信をどう払拭するかが引き続き問われることになります。
