美濃加茂市で、市議会の議員定数を現在の十六から十へと大幅に削減する条例の改正案が提出された。改正案は今月二十六日の議会最終日に採決される見通しで、地方議会のあり方をめぐる議論として関心を集めている。定数を六つ減らすという思い切った内容で、可決されれば市議会の構成は大きく様変わりすることになる。
改正案の背景にあるのは、限られた資源の使い方を見直すことで議会の機能を高めるという考え方だ。担い手不足を背景に、前回の市議会議員選挙は無投票に終わっており、定数を減らすことで選挙に緊張感をもたらす仕組みが必要だとしている。議席をめぐる競争が働かない状況への危機感が、提案の根底にあるとみられる。
さらに、これまで所得の低さやその不安定さから議会への挑戦をためらっていた人が、議員という役割を現実的な選択肢として選べる環境に近づけることも、目的の一つに挙げられている。あわせて、議員一人当たりの月額を引き上げるなどして、議員の活動を充実させることも目指すという。
この改正案は、議員自らが提出したものである。一月に行われた選挙で無投票のまま五回目の当選を果たした藤井博人市長も、議員定数の削減を選挙公約に掲げており、市政の側からも見直しを求める動きが続いてきた経緯がある。
一方で、大幅な定数の削減には慎重な意見も根強い。取材に対しては、削減に反対する議員が議会内で多数を占めているということで、最終日の採決の行方は不透明な情勢となっている。提案する側と慎重な側とで、議会内の意見は二分されている形だ。
人口が同じ規模の自治体の多くは、議員定数が十七人または十八人となっており、現状の十六人はとりわけ多いとは言えないという見方もある。地方自治に詳しい三浦教授は、大幅な定数削減にはマイナス面もあるとした上で、より丁寧な議論が必要だと指摘している。
有権者となる市民からも、賛否双方の声が聞かれた。地域の意見を聞いてくれる議員が少なくなることを不安視する声がある一方で、まずは十人にしてやってみて、それで少ないと分かれば改めて増やせばよいという意見もあり、受け止めは分かれている。
次の市議会議員選挙は十月に控えている。それを前に、議員定数を大きく見直す今回の改正案が、二十六日の議会最終日にどのような判断を受けるのかが、今後の焦点となる。市議会の規模をめぐる選択は、市民の代表をどう選ぶかという問いに直結している。
