参議院本会議は、デジタル分野に関わる二つの法律の改正案を賛成多数で可決した。ANNの中継によると、採決の結果は投票総数二百四十のうち賛成百四十六、反対九十四で、これにより本案は可決された。国民のデータや個人情報の取り扱いを大きく左右する内容だけに、採決に至るまで賛否をめぐる議論が交わされた。
可決されたのは、二つの改正案である。ANNの中継で示された議論によると、一つは、国が持つデータを、認定した民間企業に実質的に無償で提供することもできるようにするデジタル行政推進法の改正である。行政が保有するデータの民間活用を一段と進めることが、その狙いにあるとされる。
もう一つは、個人情報の扱いに深く関わる改正だ。ANNの中継での議論によると、AI開発のためであれば、民間企業が個人情報を本人の同意なく集められるようになる個人情報保護法の改正が含まれている。AI開発を後押しするためのデータ活用が念頭にあるとみられ、この点が特に論点となった。
この二つの改正案に対しては、明確な反対も示された。ANNの中継によると、参政党の足立雄二議員は反対の立場から討論を行い、この法案によって我が国のデジタル主権がますます失われ、日本がデジタル監視社会に近づくことを強く懸念すると訴えた。
反対の理由として挙げられたのが、個人の権利への影響である。ANNが伝えた討論によると、本人の同意なく情報が集められ、個人のプロファイリングや分析に使われる恐れがあり、国民の権利や自由にとって脅威になりかねないとされた。そもそもAI学習用のデータは、匿名化すれば個人情報である必要はないとの指摘も出された。
さらに、規制や監督の体制も大きな論点となった。ANNの中継によると、反対の立場からは、AI開発を行う事業者に対する監督官庁が設けられておらず、規制や監督が不十分だと指摘された。課徴金の制度は設けられたものの、対象は千人以上の情報漏えいなどに限られ、要件が厳しいという懸念も示された。
背景には、海外企業への依存に対する警戒感もある。ANNが伝えた討論によると、政府の共通基盤ではアマゾンやグーグルなど海外の大手IT企業のクラウドが採用されてきた経緯があり、外資系企業による独占が進むなかで、貴重な戦略資産であるデータをどう守り、日本のデジタル主権をどう確保するかが改めて問われる形となった。
