参議院の決算委員会は、令和六年度決算を多数で認定するとともに、政府の予算執行に関する問題点を指摘する内閣への警告を議決した。委員からは予算の執行をめぐって不正や不適切な点について様々な指摘があり、そのうち重要な事項が警告や措置要求の決議としてまとめられた。
警告では、中小企業向けの事業再構築を促す補助金をめぐり、虚偽の実績報告書が作成されるなどして不正な交付が生じたことが問題視された。事業者から事業の状況が適切に報告されず、事業の効果を正確に分析することが難しかったうえ、会計検査院から指摘されるまで正確な効果の検証が行えなかった状況を、重く受け止めるべきだとした。
その上で決議案は、不正な受給に厳正に対処することはもとより、事業者による報告内容の適正化を通じて事業の状況などを的確に把握することを徹底し、補助金の見直しに向けた取り組みを強化すべきだと政府に求めた。
また、原子力発電所をめぐっては、規制基準や審査の基準設計の根幹に関わるデータについて、安全審査の信頼性を揺るがす不正行為が行われたことを重く受け止めるべきだと指摘した。原子力の安全を支える審査の土台となるデータの信頼性が問われる事態である。
決議案は政府に対し、この問題の事実関係や経緯、是正措置などを確認するとともに、ほかの原子力発電所で同様のデータ不正が行われないよう、改善などについて早急に検討し、再発防止に万全を期すよう求めた。
討論では、各会派の代表が決算や決議案への賛否を表明した。決算そのものには反対しつつ、内閣への警告決議案には賛成する立場を示す会派もあり、決算を重視する参議院として役割を果たすことができたとの評価も述べられた。
討論の中では、予算執行や経済政策の効果を疑問視する意見も出された。実質賃金が前年比〇・二%減と三年連続のマイナスとなる一方、税収は七十五・二兆円と五年連続で過去最高を更新したことなどが取り上げられた。政府には、審議の内容を重く受け止め、より適正で効率的な予算執行に努めることが求められている。
