高市総理大臣が、来週開かれるG7サミットに向けて、エネルギーをめぐる具体的な提案を持ち込む方針を固めつつある。緊迫する中東情勢を受けたもので、国際的な石油の安定供給を主眼に置いた3項目の提案を行う方向で調整に入った。資源を輸入に頼る日本にとって、石油の供給は経済と暮らしを左右する重い課題であり、その問題意識を国際社会と共有しようとする動きだ。
提案の舞台となるのは、来週のG7サミットだ。サミットは15日からフランスで開催される予定で、高市総理はこの場で3項目の提案を行う方針だという。主要7か国が集まる枠組みを使い、エネルギーの安定をめぐる議論を主導しようという構えがうかがえる。
1つ目の柱は、貿易のルールに関わるものだ。高市総理は、不当な輸出制限への反対を提案する方針だ。石油をはじめとする資源が、政治的な思惑などによって不当に出し惜しみされることがないよう、国際的な歯止めをかけたいという狙いがにじむ。
2つ目の柱は、いざという時への備えに関するものだ。高市総理は、アジアなどでの石油備蓄の強化に向けた支援を提案する方針だ。供給が滞る事態に直面しても各国が持ちこたえられるよう、地域全体で備蓄の厚みを増やしていくことを後押しする考えだ。
3つ目の柱は、国と国との関係づくりに関わるものだ。高市総理は、産油国と消費国の連携強化を提案する方針だ。石油を売る側と買う側が対立するのではなく、安定供給という共通の利益に向けて協力する枠組みを広げることを目指している。
国内の供給見通しについても、政府は一定の説明を行っている。原油の調達と備蓄の活用を合わせれば、2028年3月末まで石油の安定供給が可能だとしている。当面の間は国内の需要を支えられるとの認識を示し、過度な不安が広がらないよう努めた形だ。
こうした提案の背景には、収まらない中東情勢がある。イランはホルムズ海峡で、石油タンカーや商船などすべての船舶の航行を禁止すると明らかにしており、世界有数の石油輸送路をめぐる緊張が高まっている。日本としては、G7の場を通じて供給の安定に向けた国際的な歩調を促したい考えで、サミットでの議論の行方が注目される。
