科学や文化の発展に大きく貢献した人に贈られる京都賞の受賞者が発表され、次世代の太陽電池として世界的に注目を集めているペロブスカイト太陽電池を、世界に先駆けて提唱した科学者が選ばれました。長年の研究の積み重ねが、国際的にも権威のある賞という形で高く評価された形です。
京都賞に選ばれたのは、横浜大学の特任教授で科学者の宮坂努さんです。宮坂さんは、薄くて軽いうえに曲げることもできるという特徴を持つ、次世代の太陽電池であるペロブスカイト太陽電池を、世界に先駆けて提唱したことが高く評価され、今回の受賞につながりました。
ペロブスカイト太陽電池は、従来のシリコン製の太陽電池とは異なり、薄く軽く、しかも折り曲げられるという特性を持っています。そのため、これまで設置が難しかった壁面や曲面など、さまざまな場所への応用が期待されていて、次世代のエネルギー源として世界各国で開発競争が進められている分野です。
宮坂さんが受賞した京都賞は、京セラの創業者である稲盛和夫さんが設立した稲盛財団が主催する賞です。先端技術、基礎科学、そして思想・芸術という三つの部門が設けられていて、それぞれの分野で世界に貢献した人たちの中から、毎年受賞者が選ばれています。
今回の京都賞では、宮坂さんのほかにも受賞者が選ばれています。芸術の分野では、アメリカのアーティストであるローリー・アンダーソンさんが受賞しました。先端技術や基礎科学といった理系の分野だけでなく、芸術や思想の分野も対象としている点が、京都賞の大きな特徴となっています。
受賞者をたたえる受賞式は、十一月十日に京都市左京区にある国立京都国際会館で開かれる予定です。会場では、それぞれの分野で世界に大きな足跡を残した受賞者たちが一堂に会し、その功績が改めて顕彰されることになります。
薄くて軽く、曲げることもできるペロブスカイト太陽電池は、再生可能エネルギーの普及を後押しする技術として、実用化に向けた取り組みが各地で進んでいます。その基礎を世界に先駆けて築いた宮坂さんの今回の受賞は、日本の研究の蓄積が世界的に評価されたことを示すものとして、注目を集めています。
