甘くこってりとした脂がのったブリで知られる一大産地、鹿児島湾で異変が起きています。湾内で養殖されていたブリおよそ二万三千匹が死んでしまったのです。多くの魚が一度に失われる事態となり、地域の養殖業にとっては大きな打撃となっています。
今回の被害は規模も金額も小さくありません。死んでしまったブリの被害額は、あわせておよそ一億円に及ぶといいます。丹精込めて育ててきた魚が大量に死んだことで、生産者にとっては経済的にも非常に深刻な損害となりました。
鹿児島湾はもともと、ブリの一大産地として知られています。ここで育てられるブリは、甘くこってりとした脂が絶品と評されるほどで、ブランドとしての価値も高い魚です。それだけに、その産地で起きた今回の大量死は、関係者に大きな衝撃を与えています。
大量死の原因として指摘されているのが赤潮です。赤潮は、海の中でプランクトンが異常に増殖する現象で、海の色が変わって見えることもあります。この赤潮が養殖されていたブリに深刻な影響を及ぼしたとみられています。
さらに今回の赤潮では、毒性の強いプランクトンも確認されています。単にプランクトンが増えただけではなく、魚にとって有害な種類が含まれていたことが、被害をより大きくした可能性があります。毒性の強いプランクトンの存在は、養殖魚の大量死と無関係ではないとみられます。
では、なぜこのタイミングで赤潮が発生したのでしょうか。背景として挙げられているのが、先週の台風です。台風によってかなりの雨が降り、その雨とともに栄養分が湾の中へと流れ込んだとされています。栄養分が増えたことが、プランクトンの増殖を後押ししたとみられます。
加えて、天候の急変も影響したと考えられています。台風で雨が降った後、翌日には一気に晴れ上がったといい、こうした条件がプランクトンの増殖にちょうど適していたのではないかと指摘されています。雨による栄養分の流入と、その後の晴天が重なったことが、赤潮の発生を招いたとみられています。
