和歌山県新宮市の湿地で、朝露に濡れた羽を乾かす小さなトンボの姿が見られている。日本で一番小さいトンボとされる「八丁トンボ」で、この時期ならではの自然の風物詩として親しまれている。
八丁トンボの体長は、およそ二センチほどしかない。一円玉とほぼ同じ大きさで、トンボとしては極めて小さく、注意して見なければ見落としてしまうほどの愛らしい姿をしている。
オスは、羽化した直後はオレンジ色をしている。その後、時間の経過とともに体の色が少しずつ変化し、徐々に鮮やかな赤色へと染まっていくのが特徴となっている。
一方、メスは黄色と黒の縞模様をしている。オスとメスで見た目が大きく異なるため、体の色合いの違いから一目で見分けることができる。
国内では、八丁トンボの生息に適した湿地が少なくなってきているという。生育できる環境が失われていくにつれて、その数も次第に減ってきていると指摘されている。
新宮市の湿地で見られるこの八丁トンボの羽化は、来月初旬ごろまで続くという。小さな体で懸命に羽を広げる姿は、限られた季節にだけ目にすることのできる貴重な光景となっている。
