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AIロボティクス戦略を改定、二〇四〇年までにロボット一千万台目標

AIロボティクス戦略を改定、二〇四〇年までにロボット一千万台目標

政府はAIロボティクス戦略の改定版を公表し、二〇四〇年までに国内のロボット導入台数を約一千万台とする目標を掲げた。国産のマルチモーダル基盤モデルの開発ではNOETRA社と産業技術総合研究所のコンソーシアムが採択され、AIロボティクスの中核拠点の創設も打ち出した。

政府は六月三十日、AIとロボットの社会実装を加速させるための「AIロボティクス戦略」の改定版を公表した。改定版では、二〇四〇年までに国内におけるロボットの導入台数を約一千万台とする数値目標を新たに掲げ、人手不足が深刻化するなかでロボット技術を経済成長の柱に位置づける方針を鮮明にした。経済産業省の担当閣僚は記者会見で、この戦略を国家的な取り組みとして「大胆かつスピード感を持って」推進する考えを示した。

戦略の中核となるのが、AIロボティクスの「中核拠点」の創設である。政府はこの拠点を、ユーザー企業によるAIロボットの導入支援から、研究開発、社会実装、人材育成までを一体的に担う司令塔と位置づけている。個々の企業に取り組みを委ねるのではなく、開発から現場での実装、それを支える人材の確保までを切れ目なく後押しすることで、ロボット普及の裾野を一気に広げる狙いがある。

今回の戦略で重要なプロジェクトとして掲げられたのが、国産のマルチモーダル基盤モデルの開発である。この事業では、基盤モデルの開発と提供を担う事業者として、NOETRA社と産業技術総合研究所、いわゆる産総研で構成するコンソーシアムが採択された。海外の巨大IT企業が先行する基盤モデルの分野で、日本独自の技術基盤を築こうとする取り組みとなる。

産総研は、米国に加えてカナダ、フランス、英国などの海外の研究機関とも連携体制を構築し、先端的な研究開発を通じて基盤モデルの開発を後押しする。開発されたモデルは、国内のAI開発事業者や活用事業者に対して広く提供される方針で、事業者によっては、このモデルを使った海外展開も視野に入れているという。

政府が日本の「勝ち筋」と位置づけるのが、現場で蓄積されたデータの活用である。担当閣僚は「ビッグデータかけるAIの時代」だと述べ、高齢者のヘルスケアや災害対応、製造現場、さらには福島第一原子力発電所の廃炉現場など、日本が豊富なデータを持つ領域でこそ勝負していく考えを強調した。

こうした分野で得られるデータを土台に、政府は世界に先駆けて、現実世界で動作する「フィジカルAI」やロボットのためのデータ基盤を構築し、成長させていく方針を示した。データという日本の強みを生かすことで、各国がしのぎを削る基盤モデルの開発競争のなかで存在感を確保しようとする戦略である。

政府は、こうした動きを大都市圏だけにとどめず、地方にも広げていく意向だ。地域の現場にAIとロボットの活用を浸透させることで、「地方発のAIトランスフォーメーション」の実現につなげたい考えで、改定された戦略の具体的な進め方については、今後、事務方が詳細を説明するとしている。

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