アニメや特撮などを配信する動画配信サービス「バンダイチャンネル」にサイバー攻撃を仕掛け、業務を妨害したとして、15歳の少年が逮捕されました。人気の配信サービスが標的となり、一時、サービスが停止する事態に追い込まれたことから、警視庁が事件として捜査を進めています。多くの利用者を抱えるサービスに対する攻撃だけに、その手口や動機に注目が集まっています。今回の事件は、身近な動画配信サービスがサイバー攻撃の対象となりうることを示す事例となりました。
逮捕されたのは、埼玉県所沢市に住む高校1年の15歳の少年です。警視庁によりますと、少年は業務妨害の疑いが持たれています。まだ10代の高校生が、多くの利用者を持つ動画配信サービスに対する攻撃に関与したとされる点は、今回の事件の大きな特徴となっています。警視庁は、少年がどのような経緯で攻撃に及んだのか、どのようにして知識や手段を得たのかなど、その詳しい状況について慎重に調べを進めているものとみられます。
警視庁によりますと、少年は去年11月、バンダイチャンネルのサーバーに不正にアクセスしたということです。動画配信サービスを支えるサーバーに正規の手続きを経ずに侵入したとされ、これがサービスの運営に深刻な影響を及ぼすことになりました。不正アクセスは、サービスの根幹を担うシステムに直接向けられたものであり、多くの利用者にコンテンツを届ける事業者にとって、看過できない重大な事態を引き起こしたとみられています。
少年は、バンダイチャンネルのサーバーに大量の処理を繰り返させるなどしたということです。その結果、運営会社は、すべてのサービスを一時的に停止させる対応を取らざるを得なくなったとされています。大量の処理を集中的に負わせることでシステムに過大な負荷をかけ、正常な運営を妨げたとみられ、サービスの全面的な停止という形で、通常どおり動画を楽しもうとしていた多くの利用者にも、少なからず影響が及ぶことになりました。
今回の攻撃で特に注目されているのが、その手口です。警視庁によりますと、少年は生成AI、いわゆるチャットGPTを使ってプログラムを作っていたということです。専門的な知識を一から積み上げるのではなく、生成AIを利用してプログラムを作成し、それを攻撃に用いていたとされる点は、急速に普及する生成AIが、使い方によっては新たな悪用のリスクをもたらしうることを浮き彫りにするものとなっており、専門家の間でも議論を呼びそうな内容となっています。
また、少年は、会員およそ4万7000人分の情報も不正に入手していたということです。ただし、これらの情報が悪用されたケースは、これまでのところ確認されていないとされています。大量の会員情報が不正に取得されていたこと自体は重大な問題ですが、現時点で二次的な被害は確認されていないとして、警視庁は入手された会員情報がどのように扱われたのか、外部に流出していないかなどについても、引き続き慎重に確認を進めているものとみられます。
調べに対し、少年は容疑を認めているということです。そのうえで、被害を受けた企業に恨みはなかったなどと供述しているとされています。明確な恨みや目的があったわけではないとされる供述内容は、なぜ攻撃に及んだのかという動機の解明という点で、今後の捜査の焦点となりそうです。警視庁は、少年の供述の裏付けを進めるとともに、生成AIを使った攻撃がどのように行われたのか、その実態などについて、さらに詳しく調べを進める方針とみられます。
