三重県尾鷲市で、子どもたちに地元の水産業へ関心を持ってもらおうと、アオリイカの産卵床をつくる体験が行われた。今日は、市内の小学校の六年生の児童が参加し、海に沈める産卵床づくりに取り組んだ。海の恵みを身近に感じてもらう取り組みである。
アオリイカの産卵床は、ヒノキの間伐材を使ってつくられる。子どもたちは、地元の人に教わりながら作業を進め、長さ三メートルほどのヒノキの枝を束ねて、ロープでしっかりと縛っていった。慣れない手つきながらも、一つひとつ丁寧に仕上げていった。
束ねたヒノキの枝には、重りが取り付けられた。これは、海の中で産卵床が沈んで海底にとどまるようにするための工夫である。子どもたちは、地元の人の手を借りながら、産卵床を完成させていった。
こうして子どもたちが作り上げた産卵床は、沖合およそ三キロの場所で海に沈められた。そして、水深およそ十メートルの海底に設置され、アオリイカが卵を産み付けるための場所として用意された。
アオリイカは、これから夏にかけて産卵するという。今回、子どもたちが手づくりした産卵床が、その産卵の場として役立つことが期待されている。海底に沈められた産卵床は、これからの季節を静かに待つことになる。
地元の水産業に触れるこの体験を通じて、子どもたちは、海の恵みやそれを支える仕事について学ぶ機会を得た。自分たちの手でつくった産卵床が海に沈められたことで、ふだんは見えにくい海とのつながりを、より身近に感じる一日となった。
