中国で最も有名な仏教寺院の一つである少林寺の元住職、釈永信被告に対し、中国河南省の裁判所が横領などの罪で懲役二十四年、罰金三百五十万元(日本円でおよそ八千二百万円)の有罪判決を言い渡した。中国中央テレビが伝えた。
裁判所の認定によると、釈永信被告は少林寺の住職などの地位を利用して、一億三千百万元(日本円でおよそ三十億八千万円)相当を横領したほか、贈収賄などの不正行為も行っていたとされる。
釈永信被告は判決内容を認め、上訴はしないという意向を示した。同被告はかつて中国の国会にあたる全国人民代表大会の代表を務めるなど、宗教界にとどまらず政治的にも影響力のある有名人として知られていた。
少林寺は世界文化遺産にも登録されている歴史的名刹であり、少林拳の発祥地として世界的に知られている。その最高位にあった人物による大規模な横領事件は、中国の宗教界と社会全体に大きな衝撃を与えている。
この判決は中国における宗教施設の管理と透明性に関する議論を再燃させるものとなっている。巨額の資金が長期にわたって不正に流用されていた実態は、宗教組織のガバナンスのあり方について根本的な問い直しを迫るものと言える。
