名古屋市中区栄で、ベンチで寝ていた男性からかばんを盗んだとして、警察は窃盗の疑いで、住所不定・無職の三十三歳の男を現行犯逮捕した。逮捕の現場となったのは、多くの人が行き交う名古屋有数の繁華街だった。深夜の人通りが少なくなった時間帯に起きた事件だった。
警察によると、男は十四日午前二時過ぎ、中区栄のベンチで寝ていた男性から、ショルダーバッグ一個を盗んだ疑いが持たれている。盗まれたかばんは時価二千円相当だという。被害者はその場で眠り込んでいたとみられ、男はその隙を狙って犯行に及んだとされる。
栄の繁華街では、酒に酔った人を狙ったスリや置き引きの被害が、このところ相次いでいた。深夜から未明にかけて、酔って路上やベンチで眠り込んだ人が標的になりやすい状況が続いていたという。被害は後を絶たず、地域の課題となっていた。
こうした被害の多発を受けて、警察は私服の警察官を配置し、繁華街での警戒を強めていた。今回は、警戒に当たっていた私服警察官が、男が犯行に及ぶ場面を直接目撃し、その場で取り押さえたという。被害者が気づかないうちに行われた犯行を、警察官が現認した形となった。
調べに対して男は容疑を認め、「お金が欲しかった」という趣旨の供述をしているという。警察は、男がどのような経緯で犯行に至ったのかなど、当時の詳しい状況を調べている。動機や行動の経緯の解明が進められている。
今回の逮捕は、酒に酔った人を狙った窃盗が栄の繁華街で相次ぐなか、私服警察官による警戒が功を奏した形となった。深夜の繁華街で眠り込んだ人が被害に遭う事案が続いており、警察が警戒を強めていた背景がうかがえる。にぎわう街の安全をどう守るかが、改めて問われている。
