妊娠9か月だった女性が車にはねられて亡くなった事故の裁判で、名古屋地裁一宮支部は、車を運転していた被告に対し、求刑の禁錮3年に対して禁錮2年6か月の実刑判決を言い渡しました。お腹の中の子どもが受けた被害をどう扱うかが注目された裁判でした。
この事故は去年5月、市内の路上で起きました。当時妊娠9か月だった女性のさやかさんが、車にはねられて亡くなりました。突然の事故が、出産を控えた家族の日常を大きく変えることになりました。
さやかさんが運ばれた病院では、帝王切開によって娘のひなみちゃんが生まれました。母親が事故で亡くなる一方で、その子どもがこの世に生を受けるという、痛ましい経緯をたどりました。
裁判では、胎児は母親の一部とみなされるという刑法の原則に基づき、生まれてくる前にひなみちゃんが受けた被害は、別個の罪としては問われませんでした。お腹の中にいたひなみちゃんの被害が量刑にどこまで影響するのかが、大きな焦点となっていました。
名古屋地裁一宮支部は判決で、ひなみちゃんに循環不全などの障害を負わせたなどとして、ひなみちゃんが受けた具体的な被害についても言及しました。そのうえで、求刑の禁錮3年に対し、禁錮2年6か月の実刑を言い渡しました。
判決を受けて、さやかさんの夫の雄大さんが会見を開きました。雄大さんは、娘のひなみちゃんも一人の被害者として認めてほしいと訴え続けてきましたが、その思いが判決でそのまま認められることはありませんでした。
雄大さんは、判決が下りても悲しみがなくなるわけではなく、一生大きな傷を背負って生きていかなければならないとしたうえで、家族全員で今後も一丸となって戦っていきたいと話しました。家族は今後も署名活動などを続け、法改正を訴えていくということです。
