南海トラフ地震への備えとして、海抜ゼロメートル地帯が広がる愛知県西部で、河川の水門の耐震化が進められている。県の西部を流れる日光川と伊勢湾とをつなぐ日光川水口門は、この十年余りの歳月をかけて地震に強い構造へと作り変えられ、地域の防災の要として位置づけられている。海面より低い土地が広がるこの一帯にとって、水門の備えは住民の暮らしを守る重要な柱となっている。
国によると、南海トラフ地震は今後三十年以内に発生する確率が六十パーセントから九十パーセントとされている。愛知県は、マグニチュード九レベルの地震が起きた場合、県内のほぼ全域が震度六弱以上の激しい揺れに襲われると想定しており、広い範囲で大きな被害が出るおそれがあるとして警戒を呼びかけている。
一方で、県民による防災対策の取り組みや、県がこれまで進めてきた河川、海岸堤防、そして水門の整備の成果などにより、被害の想定は前回の調査と比べて大きく減少することも明らかになったという。県は、こうした地道な備えの積み重ねが、いざという時の被害の軽減につながっていると説明している。
海抜ゼロメートル地帯にとって、川の水門は浸水や津波への対策の生命線となる。海面より低い土地が広がる地域では、ひとたび堤防や水門が損なわれれば、川や海からの水が一気に流れ込み、住宅地を含む広い範囲が水につかる甚大な被害につながりかねないためだ。
今回、防災の要として注目されているのが、海抜ゼロメートル地帯が広がる愛知県西部を流れる日光川である。日光川は伊勢湾へとつながっており、地震や津波が発生した際には、その水門が川と海の境目で水の流れを食い止め、地域の安全を大きく左右する役割を担うことになる。
この日光川と伊勢湾とをつなぐ水門は、この十年余りの歳月をかけて、地震に強い構造へと作り変えられてきた。大きな揺れに見舞われても機能を保ち、確実に水の流れを制御できるよう、施設の改修が積み重ねられ、災害時にも頼れる設備となるよう整備が続けられてきたという。
こうして愛知県西部の防災の要に位置づけられているのが、日光川水口門である。南海トラフ地震への備えが急がれる中、水門の耐震化は、海抜ゼロメートル地帯に暮らす人々の命と暮らしを守るための欠かせない取り組みとして、その重要性をいっそう増している。
