公職選挙法違反の罪に問われている、ある元市議の裁判が開かれました。選挙を前に有権者に物を配ったとされる行為が、法に触れるのかどうかが問われる裁判で、検察側と弁護側の主張は、真っ向から対立する形となりました。
起訴状などによりますと、この元市議は、市議会議員を選ぶ選挙の直前にあたる、去年九月に、問題とされる行為に及んだとされています。一人で行ったのではなく、支援者とともに、有権者へと働きかけたとされ、選挙を間近に控えた時期での出来事だったとされています。
具体的に問われているのは、有権者への配り物です。元市議は、合わせて二十八人の有権者に対して、選挙の迷惑料という名目で、貸し折を二十八個配ったとされています。一人ひとりの有権者に配る形で、合わせて二十八個が渡されたとされ、これが公職選挙法に違反するとして、罪に問われることになりました。
今日の裁判で、検察側は、厳しい姿勢で臨みました。検察は、市議会議員という立場でありながら、法よりも自己の道徳や価値観を優先した行動であると指摘しました。そのうえで、反省の色は一切ないなどとして、被告の責任は重いという見方を示しました。
こうした指摘を踏まえ、検察は、具体的な求刑を行いました。検察が求めたのは、罰金四十万円という刑です。さらに、これに加えて、公民権を五年間にわたって停止するよう求めました。選挙に関わる権利の停止まで含めた求刑となりました。
これに対して、弁護側は、無罪を主張しました。弁護側は、元市議の行為は、そもそも寄附行為には当たらないと反論しました。さらに、違法性の認識もなかったなどとして、罪には問えないという立場を示し、検察側と弁護側の主張は、大きく食い違うことになりました。
