東京・秋葉原で多くの人が犠牲になった無差別殺傷事件から、十八年がたった。事件のあった八日、現場となった交差点には、当時を悼む多くの人が足を運んだ。長い年月が過ぎてもなお、この場所を訪れる人が絶えないことが、事件の衝撃の大きさと、犠牲者を忘れまいとする思いの強さを物語っている。
事件から十八年となったこの日は、あいにくの雨となった。それでも現場の交差点では、多くの人が雨の中で立ち止まり、静かに手を合わせる姿が見られた。傘を差しながら頭を垂れる人々の姿は、時間が経っても癒えない悲しみと、犠牲者への変わらぬ祈りを映し出していた。
事件が起きたのは、二千八年六月八日のことだった。休日でにぎわっていた秋葉原の歩行者天国に、一台のトラックが突っ込んだ。多くの買い物客や通行人で混雑する中での出来事であり、平穏な休日の街が一瞬にして惨劇の現場へと変わった。
トラックで突っ込んだ加藤智大元死刑囚は、その後、ナイフで人々を次々と襲った。この一連の凶行により、七人が死亡し、十人が重軽傷を負った。白昼の繁華街で起きた無差別の襲撃は、社会に大きな衝撃を与え、長く人々の記憶に刻まれることとなった。
事件から年月を重ねるなかで、現場の交差点は追悼の場として定着してきた。一方で、近年はその場所をめぐって心ない事態も起きていた。犠牲者を悼んで供えられた花などに、ゴミが捨てられるということが続いていたのだ。追悼の場が、必ずしも大切に扱われてこなかった現実がそこにはあった。
こうした状況を受け、今年からはゴミの回収などが行われるようになった。追悼に訪れる人たちが手を合わせる場を、少しでも清らかに保とうとする取り組みだ。十八年という歳月を経てもなお、事件を風化させず、犠牲者を静かに悼み続ける営みが、雨の交差点で続けられている。
