中国海警局の船が、沖縄県の与那国島の南の海域で、日本の排他的経済水域(EEZ)内を航行していたことが分かりました。この船は同じ海域で管轄権を主張していたということで、日本側の対応や今後の影響に関心が集まっています。EEZをめぐる中国側の動きが、改めて表面化した形です。
関係者によりますと、中国海警局の船が日本のEEZ内に入ったのは今月初めのことです。場所は与那国島の南の海域で、日本が自国の経済的な権益を持つとされる範囲の中での航行でした。離島の南という、領域の境界に近い海域での出来事だった点も注目されます。
この船に対しては、日本側も警戒にあたっていました。警戒していた海上保安庁が呼び掛けを行ったところ、中国側の船は、これは中国の管轄区域での通常のパトロールだと主張したということです。日本の呼び掛けに応じる形ではなく、自らの正当性を訴える対応を取ったことになります。
中国側のこの主張は、日本の立場とは食い違うものです。日本がEEZと位置づける海域について、中国側はあくまで自国の管轄区域だとして通常の活動だと説明しました。同じ海域をめぐって、双方の認識の隔たりが改めて浮き彫りになっています。
この海域は、外交的にも敏感な意味合いを帯びています。日本とフィリピンは、この海域に関係する海洋上の境界の確定に向けて、交渉を始めることで合意しています。海をめぐる秩序づくりが進もうとしている場所での出来事でした。
そのフィリピンとの動きに対して、中国側は反発しています。今回、中国海警局の船が日本のEEZ内を航行し管轄権を主張した背景には、こうした海洋をめぐる各国の立場の違いがあるとみられ、今後の交渉や現場の情勢にどう影響するかが問われることになります。
