中国商務省は二十九日、日本の二十の団体や企業を新たに輸出管理の対象に追加したと発表した。レアアースを含む軍民両用、いわゆるデュアルユースの品目について、中国からこれらの企業向けに輸出することを規制する内容で、中国側は対象となった企業が日本の軍事力の向上に関与していることを理由に挙げている。
今回の措置では、輸出を厳しく制限する管理リストに加え、取引の審査を厳格化する懸念リストにも、複数の日本企業や団体が新たに加えられた。経済的な手段を通じて中国が日本側に圧力をかけようとする構図が、改めて鮮明になった形だ。
これに対し、日本の経済産業省は強く反発している。担当閣僚は記者会見で、中国が本年一月と二月に公表した、日本のみを狙い撃ちにした輸出管理措置に言及し、こうしたやり方は国際的な慣行と大きく異なり、決して許容できないとの認識を示した。
そのうえで政府は、一連の措置について中国側に強く抗議するとともに、措置の撤回を繰り返し求めてきたと説明した。二十九日に発表された今回の追加措置についても、同様に容認できないとの立場を強調している。
すでに具体的な影響も出ている。二月に公表されたレアアースを含む重要鉱物の輸出管理などをめぐっては、輸出の許可が遅れたり、税関での検査が長期化したりするケースが生じているといい、担当閣僚は、日本企業の活動への支障が現実のものになっていることを認めた。
中国による日本を狙った輸出管理の動きは、今回が初めてではない。政府の説明によれば、中国は本年一月と二月にも、日本だけを対象とする輸出管理措置を相次いで打ち出していた。二十九日の追加措置はこうした一連の動きの延長線上にあり、年明け以降、日中間で輸出規制をめぐる緊張が断続的に続いていることを示している。
政府は、企業への影響について可能な範囲で実態の把握を急ぐとともに、今後の対応を慎重に検討していく方針だ。輸出管理をめぐる日中の応酬が続くなか、経済安全保障の観点から両国の摩擦がさらに強まることが懸念されている。
