無罪が確定した重大事件をめぐり、検察の対応の問題点が改めて明らかになりました。ANN(テレビ朝日系)によると、一九八六年に福井市で女子中学生が殺害された事件の再審無罪について、名古屋高検が調査報告書を公表しました。裁判に関わった検察官らへの聞き取りなどを踏まえたもので、当時の捜査や公判のあり方が厳しく問われる内容となっています。
この事件は、長い年月を経て無罪が確定したものです。ANNによると、名古屋高裁は去年七月、福井市で女子中学生が殺害された事件で有罪とされ、服役していた前川彰司さんに対し、再審で無罪を言い渡しました。有罪が確定してから再び審理がやり直され、最終的に無実が認められるという異例の経過をたどった事件です。
裁判で問題とされたのは、検察側が用いた証拠の信用性でした。ANNによると、この裁判では、検察官が証拠とした関係者の供述に誤りがあることを把握しながら、有罪の立証を続けたことが問題視されていました。無罪の決め手となったのは、まさにこの供述の誤りであり、有罪認定の土台が大きく揺らぐことになりました。
今回の報告書は、その把握の広がりを具体的に認定しました。ANNによると、調査報告書では、一審の段階から少なくとも六人の検察官が、再審無罪の決め手となった供述の誤りを認識していたと認定されました。複数の検察官が誤りを把握していながら、それが裁判所などに明らかにされてこなかった点が、深刻な問題として浮かび上がっています。
報告書は、対応次第で結果が変わり得たとも指摘しています。ANNによると、適切な措置が講じられていれば、より早い段階で再審無罪が確定していた可能性も十分に考えられるとしました。誤りを早期に開示していれば、無実の人がより長く不利益を受け続ける事態は避けられたのではないか、という厳しい見方が示された形です。
去年の再審無罪判決も、検察の姿勢を強く非難していました。ANNによると、名古屋高裁が言い渡した再審無罪の判決は、証拠をめぐる検察の対応について、到底容認できないといった厳しい言葉で批判していました。今回の報告書は、その批判を裏づける形で、検察内部での問題の広がりを裏づけるものとなっています。
一連の経過は、刑事司法における証拠開示のあり方を改めて問うものです。ANNによると、無実の人が長期間にわたって有罪とされ続けた背景に、証拠の誤りを把握しながら開示しなかった検察の対応があったことになります。今後、再発防止に向けてどのような取り組みが示されるかが、大きな焦点となりそうです。
