地方議会の要職をめぐり、現金がやり取りされていた疑いが表面化しました。ANN(テレビ朝日系)によると、福岡県議会で、正副議長のポストへの就任に際して現金が支払われていた疑いが浮上し、当事者の一人が自ら支払いの事実を明らかにしました。長年続いてきたとされる慣習の存在が、県政の場で問われることになっています。
支払いを認めたのは、当時の副議長でした。ANNによると、自民党の県議団に所属していた江藤秀幸議員は、副議長に就任する前の二〇二〇年、自民党県議団の幹部らに対して、合わせて八百万円を超える現金を支払っていたと明らかにしました。江藤氏はこれを、長年の慣例に沿った対応だったと説明しています。
本人は、あくまで支払いは事実だとの立場を示しています。ANNによると、江藤氏は、幹部側から強い要求があったわけではないとしつつも、就任のために必要なお金だと認識していたという趣旨の説明をしています。こうした慣習について、もう終わりにすべきだという考えも示しているとされています。
同じ時期に議長を務めた県議も、同様の支払いを認めています。ANNによると、この県議は、ほかの会派との調整に伴うゴルフ会などの費用として、幹部側から繰り返し依頼を受け、三百万円を支払ったと証言しています。資金を用意するために、知人から借り入れをしたとも説明しているということです。
これに対し、受け取ったとされる側は、疑惑を強く否定しています。ANNによると、自民党県議団の幹部の一人である中尾正幸副議長は、六日の会見で、江藤氏から五百万円を求めたなどとする証言について、事実無根だと完全に否定しました。ポストを求める側に金銭を要求したり、要求がなくても受け取ったりしたことはないとしています。
双方の説明は真っ向から食い違っています。ANNによると、現金を支払ったとする側と、受け取りを否定する側とで主張が対立しており、事実関係は現時点で明確になっていません。証言の裏づけをめぐっては、録音データの存在も取り沙汰されるなど、真相の解明が容易でない状況となっています。
事態を受けて、福岡県議会は調査に乗り出す方針です。ANNによると、県議会は、外部の専門家による全県議への聞き取りを来週にも行う方向で調整しています。地方議会の要職の決め方や、長年の慣習とされる資金のやり取りが、どこまで明らかになるかが今後の焦点となりそうです。
