茨城県の介護施設で入所者の男性二人の点滴に空気を注入し、殺害したとして殺人などの罪に問われた元職員の赤間恵美被告の裁判員裁判で、水戸地裁は七日、二件の殺人のうち一件を無罪とした上で、懲役二十年の判決を言い渡した。検察側は無期懲役を求刑していたが、判決はこれを下回った。
起訴の内容によると、赤間被告は二〇二〇年、当時職員として働いていた茨城県古河市の介護施設で、入所者の鈴木喜作さんと吉田節次さんの点滴に、シリンジを使って空気を注入し、二人を殺害したとして殺人などの罪に問われていた。
裁判で検察側は、点滴を打っている要介護者の入所者の中から、標的を無差別に選んだなどと主張し、無期懲役を求刑していた。
これに対して被告側は、空気を注入していない、殺害していないと述べたほか、動機や経緯が証拠によって証明されたわけではないなどとして、一貫して無罪を主張してきた。
七日の判決で水戸地裁は、鈴木さんの殺害については、シリンジを用いるなどした方法で間違いなく空気が注入されたと言えるだけの証拠がなく、被告を犯人とするには合理的な疑いが残るとして、無罪を言い渡した。一方、吉田さんの殺害については有罪と認定した。
その結果、水戸地裁は二件のうち一件の殺人を有罪と認定し、赤間被告に懲役二十年の判決を言い渡した。検察側が求刑した無期懲役を大きく下回る判決となり、今後、検察側が控訴するかどうかが焦点となる。
