関東地方では、十七日、局地的に記録的な大雨となり、川の氾濫や土砂災害の危険が急速に高まった。栃木県では、佐野市の一部に、五段階ある警戒レベルのうち最も高いレベル五にあたる「緊急安全確保」が発令され、住民に命を守る行動が呼びかけられた。
佐野市では、市内を流れる旗川で水位が上がり、氾濫が発生したとして、川の周辺のおよそ二千二百四十九世帯、六千五百二十人に緊急安全確保が出された。すでに避難する余裕がない場合でも、少しでも安全な場所に移るよう、切迫した呼びかけが行われた。
隣接する足利市でも、記録的な大雨となった。三時間に降った雨の量は百二十八ミリに達し、観測史上最大を記録した。栃木県内では、大雨危険警報や土砂災害の危険を知らせる警報が相次いで発表され、厳重な警戒が求められる事態となった。
大雨の影響で、土砂災害も起きた。山の斜面から流れ出た土砂が二階建て住宅の一階部分に流れ込み、建物が倒壊した。これまでにけが人は確認されていないが、この家には高齢の夫婦が住んでいるとみられ、二人とは連絡が取れていないという。土砂に巻き込まれた可能性もあるとみて、警察と消防が捜索を続けている。
群馬県では、利根川水系の石田川に、レベル四の氾濫危険警報が発表された。水位が上昇し、川が氾濫する危険が高まっているとして、群馬県太田市や埼玉県熊谷市などでは、浸水の恐れがあるとして注意が呼びかけられている。
関東では、この日の昼ごろから、広い範囲で雨雲が急速に発達していた。東京都心でも数時間にわたって激しい雷雨となり、八王子市では一時間に六十四ミリの雨を観測して、観測史上最大となった。横浜市でも激しい雨で道路が冠水し、一時、七万三千人以上に避難指示が出された。
気象庁は、栃木県や群馬県に、発達した雨雲が連なる線状降水帯の発生を予測する情報を発表していた。大気の不安定な状態は続く見通しで、今後も土砂災害や川の増水、氾濫などに厳重な警戒が必要だとして、自治体からの避難情報を確認するよう呼びかけている。
