先月28日に発生した熊本地震で、熊本県八代市の日本製紙八代工場の煙突が倒壊した事故で、これまでに9人が死亡した。倒壊したのは重油ボイラー用の高さ80メートルの煙突で、中央部分あたりから折れ、従業員が働いていた2階建ての建物の上に落ちた。地震発生時、この発電用ボイラーの煙突は停止していたという。
死亡した9人は、日本製紙の社員6人と、協力会社などの社員3人で、いずれも男性だった。年齢は30代から60代だという。このうち一部は、地震の際に1階で工場のメンテナンスをしていた協力会社の社員だった。
地震では工場内にある3本の煙突が被災した。倒壊して9人の死につながった1本のほか、2009年に設置された強化プラスチック製の煙突は先端が折れる被害を受けた。倒壊した煙突は鉄筋コンクリート製で、1970年に設置されたものだった。
会社によると、倒壊したこの煙突は、2016年の熊本地震のあとに補強が行われていた。会見では、地震によって工場内の3本の煙突が被災し、そのうちの1本が倒壊して9人全員が亡くなったことが明らかにされた。
日本製紙は5日午後、八代市内で事故後初めての記者会見を開き、瀬辺明社長や八代工場の工場長らが出席した。瀬辺社長は冒頭、「亡くなられた方に深く哀悼の意を表します。多くの関係者の皆様にご心配をおかけしていることを深くおわび申し上げます」と述べ、遺族に謝罪した。会見では被害の状況や事故に至る経緯などが説明された。
八代工場は市民にとって街のシンボルでもあり、その歴史は古く、戦前の1924年からこの地で稼働を始めた。新聞用紙やコピー用紙などを製造しており、東日本大震災の際には被災地の工場が稼働を停止したため、供給量を増やしてカバーしたこともあった。
工場は現在、稼働を停止しており、瀬辺社長は復旧の具体的な見通しは立たないとの認識を示した。日本製紙は事故の原因を調べるため、調査委員会を設けて原因究明を進めるとしている。
