リニア中央新幹線の静岡工区について、静岡県の鈴木知事は七日、着工を容認する考えを表明した。大井川の水資源への影響などをめぐって議論が続き、硬着状態となっていたリニア問題は、大きな節目を迎えた。
鈴木知事は、県の自然環境の保全に関する協定を、今月十八日にJR東海と締結する方針を示した。この協定の締結によって、事実上、静岡工区の着工を容認する形となる。
リニアをめぐる議論は、これまで紆余曲折をたどってきた。国も巻き込んで議論が長期化し、JR東海は当初目指していた二〇二七年の開業を断念した経緯がある。
二〇二四年に就任した鈴木知事のもとで、きょうの節目を迎えた形だ。知事は、リニアの問題が県政を引き受けた際に最も重要で重い課題の一つだったとして、これまで協議を積み重ねてきたと説明した。
もっとも、実際の開業までにはなお時間がかかる見通しだ。JR東海は静岡工区の完成までに十年以上かかるとしており、年内に着工したとしても、品川と名古屋の間の開業は二〇三六年以降になるとみられている。
今回の着工容認の表明について、リニアの沿線の知事からは歓迎する声が上がった。一方で、地元では水資源や自然環境への影響を心配する反発も根強く残っており、県は今後の対応が問われることになる。
