本人の承諾を得た上で女性二人を殺害したとして、承諾殺人などの罪に問われた男に対し、さいたま地方裁判所は、懲役十年の判決を言い渡しました。心に不安を抱えた人たちが被害に遭った事件で、判決の内容が注目されました。
判決を受けたのは、無職の斎藤淳被告です。斎藤被告は、二〇一五年と二〇一八年に、二人の女性を、本人の承諾を得た上で殺害したとして、承諾殺人の罪に問われていました。いずれも、相手の同意があったとされる一方で、命が失われた重大な事件です。
きょうの判決で、さいたま地方裁判所は、斎藤被告の行為に至る経緯について指摘しました。裁判所は、被告が、弱い立場にある人の弱った気持ちに寄り添うかのように装ったメッセージを送り、相手が承諾する意思を強めていったと述べました。
そのうえで裁判所は、被告の行為は、みずからの殺害の欲求を満たそうとしたものだと認定しました。相手の同意があったとしても、人の命を奪ったことに変わりはなく、その動機は身勝手なものだと受け止められました。
裁判所は、こうした行為について、人の命を軽視したものであり、厳しい非難に値すると述べました。同意があったかどうかにかかわらず、二人の命が失われたという結果の重さが、判決の中で強く示されました。
この裁判で、検察側は懲役十三年を求刑していました。これに対して、さいたま地方裁判所は、事情を踏まえたうえで、懲役十年の判決を言い渡しました。求刑と判決の差には、裁判所の判断が反映されています。
心に不安や悩みを抱える人たちが被害に遭った今回の事件は、弱い立場にある人がどのように守られるべきかという問いを投げかけています。同じような被害を防ぐために、周囲がどう気づき、支えていくのかが、あらためて問われることになりそうです。
