自民党の旧安倍派をめぐる政治資金の事件で、元国会議員の大野被告に対する判決が、東京地裁で言い渡されました。大野被告は、派閥からのキックバックを政治資金収支報告書に正しく記載しなかったとして罪に問われており、この日の判決はその責任の有無が焦点となりました。
これまでの裁判によりますと、大野被告と当時の秘書は、二〇一八年からの五年間にわたり、旧安倍派からおよそ五千百万円のキックバックを受け取っていたとされています。にもかかわらず、その資金を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、虚偽記入などの罪に問われていました。
裁判の中で、大野被告らは一貫して無罪を主張してきました。これに対し検察側は、報告書への不記載は意図的なものであり、責任は免れないと主張し、被告側と検察側の主張が真っ向から対立する展開となっていました。
今日の判決で、東京地裁は、虚偽記入のうち二〇二二年分のみを認めました。そのうえで、大野被告に対して罰金六十万円、当時の秘書だった元秘書に対して罰金二十万円の判決を言い渡しました。報告書の一部については、被告らの責任を認める判断が示された形です。
一方で、東京地裁は、残る四年分の虚偽記入については、共謀が認められないとして無罪としました。長期間にわたる不記載のすべてが有罪とされたわけではなく、年ごとに判断が分かれる結果となりました。これにより、被告側の主張が一部認められた形にもなりました。
大野被告は二〇一三年に初当選した政治家で、その家系も知られています。祖父は自民党の初代副総裁を務め、父も閣僚を経験するなど、政治の世界に深い縁を持つ一族の出身です。地元を代表する立場にあった政治家への判決として、注目を集めています。
