プロ野球・読売巨人軍の阿部慎之助前監督が、十八歳の長女に暴行を加えたとして書類送検された事件で、東京地方検察庁は前監督を不起訴処分とした。検察が起訴を見送ったことで、この事件をめぐる刑事手続きは大きな節目を迎えることになった。家族の間で起きたとされる出来事が社会的にも大きな注目を集めていただけに、検察の判断が焦点となっていた。
不起訴の処分は十五日付で出された。検察は、その理由について、暴行の態様や犯行後の状況など、関係する証拠の内容を踏まえたうえで、起訴を猶予する判断に至ったと説明している。起訴猶予は、容疑が認められる場合でも、さまざまな事情を考慮したうえで、あえて起訴しないとする処分にあたる。
事件の経緯をめぐっては、阿部前監督は前月、東京・渋谷区の自宅で、十八歳の長女の胸倉をつかんで押し倒すなどの暴行を加えた疑いが持たれていた。この件で前監督は九日に書類送検され、検察がどのような判断を示すのかが注目されていた。
前監督は、先月二十五日に現行犯逮捕されていた。その後、釈放され、捜査は任意で進められてきた。今回の不起訴処分によって、逮捕に始まった一連の捜査は、ひとまず区切りを迎えることになる。
一連の経緯を受けて、阿部前監督は逮捕の翌日に球団へ申し入れを行い、巨人軍の監督を辞任していた。球界を代表する球団を率いる立場にあった人物が、シーズンの途中で指揮官の職を退く異例の展開となっていた。
不起訴の処分を受けて、阿部前監督は代理人を通じてコメントを出した。その中で前監督は、大切な家族に大きな負担をかけることになったとして後悔の念を示し、失ったものの大きさを感じていると述べた。今回の検察の判断により、刑事責任を問う手続きは終了することになる。
