帝国データバンクによりますと、七月の全国の企業倒産件数は千三十七件となり、今年に入って最も多くなりました。前年の同じ月の九百五十六件と比べておよそ八・五パーセントの増加で、倒産の増加傾向が続いていることが改めて浮き彫りになりました。景気の先行きが不透明な中、企業経営を取り巻く環境の厳しさがうかがえる結果となっています。
月間の倒産件数が千件を超えるのは、これで二か月連続となります。二か月続けて千件を上回るのは、世界的な金融危機のさなかにあった二〇〇九年以来のことで、およそ十七年ぶりの水準です。長く落ち着いていた倒産件数が、ここにきて再び高い水準まで膨らんできていることを示しています。
負債の総額も大きく膨らみました。七月の倒産の負債総額は約二千三百四十一億円に上り、前年の同じ月と比べておよそ四十・六パーセント増加しました。負債総額が前の年を上回るのは五か月連続で、件数だけでなく一件あたりの規模の面でも影響が広がっていることがうかがえます。
この中で最も規模が大きかった倒産は、クレジットカードの決済業務を手がける企業によるものでした。この一社だけで負債は千百五十一億円に達し、今回の負債総額を大きく押し上げる要因となりました。大型の倒産が一件加わることで、月ごとの数字が大きく振れる状況も続いています。
業種別に見ますと、サービス業が最も多く、次いで小売業が目立ちました。小売業の倒産は二百三十四件で、前年よりおよそ二十七・二パーセント増え、二〇〇〇年以降で最も多くなりました。さらに建設業も二百七件と、前年に比べておよそ十四・四パーセント増加しており、幅広い業種で倒産が増えていることが分かります。
物価の上昇が引き金となった、いわゆる「物価高倒産」も深刻さを増しています。七月の物価高倒産は百二十一件に上り、集計を始めた二〇一八年以降で過去最多となりました。原材料価格の高騰に加え、消費者が支出を切り詰める節約志向を強めていることなどが、企業の経営を圧迫する要因になっているとみられます。
とりわけ小売業では、仕入れ値の上昇分を販売価格に十分に転嫁できない一方で、客足が鈍る二重の負担が広がっています。件数の増加と負債の膨張がそろって続いていることは、物価高が中小企業の経営体力を確実に削っている実態を映し出しています。今後も物価の動向や消費の回復力しだいで、倒産がさらに増える可能性が意識される状況です。
