中国南部で、台風十号による大雨の被害が深刻な状況となっている。ANNの報道によると、先週末に南部を直撃した台風十号に伴う記録的な雨により、広い範囲で川が増水し、住宅地や道路が水につかるなど、各地で大きな被害が広がっている。なかでも、学校が集まる地区が丸ごと水没し、大勢が取り残される事態も起きた。
とりわけ深刻だったのが、教育地区での孤立である。ANNによると、複数の学校がある教育地区の全体が水没した町があり、生徒や教師ら一万二千人以上が校舎の中に取り残された。校舎の出入り口は完全に水没し、水位は最も深いところで七メートルに達したということで、逃げ場を失った人々が建物内に閉じ込められる形となった。
こうした事態に対し、現地では懸命の救助活動が行われた。ANNの報道によると、地元政府はゴムボートなどを使って、孤立した生徒らを安全な場所へと移動させた。さらに食料や水を運び込むなどして、取り残された全員の安全を確保したとしており、大規模な浸水のなかでの避難が進められた。
被害の背景には、河川やダムの決壊がある。ANNによると、台風十号の通過に伴い、各地でダムが崩れ、いくつもの貯水池で堤防が決壊した。その結果、せき止められていた大量の水が一気に街へと流れ込み、村が水にのみ込まれるなど、被害はさらに拡大する事態となった。
現地の住民は、その激しさを目の当たりにしている。ANNの報道では、住民が濁流によって橋が押し流される瞬間を目撃したと伝えられている。「百年に一度のレベル」との証言も出ており、突然大量の水が押し寄せる鉄砲水も発生するなど、想定を超える被害となった。
被害の規模は数字にも表れている。ANNの報道によると、今回の洪水による被災者は三十七万五千人に上っている。広い範囲で住民が家を追われたり、避難を余儀なくされたりしており、生活への影響は極めて大きなものとなっている。
人的被害も深刻である。ANNによると、これまでに三十九人が死亡し、九人が行方不明になっているという。行方不明者の捜索が続けられているとみられ、被害の全容が明らかになるにつれ、犠牲者の数がさらに変わる可能性もある。
追い打ちをかけるように、新たな台風の脅威も迫っている。ANNの報道では、現在、台風九号も接近していることから、当局が警戒を続けているという。すでに大きな被害を受けた地域に再び雨がもたらされれば、被害がさらに深刻化する恐れもあり、今後の動向が注視される。
