奈良市にある薬師寺で国宝の仏足石に液体をかけて汚したとして、警察は台湾出身の女を逮捕しました。逮捕されたのは自称司会業の蔡イージェン容疑者で、文化財保護法違反の疑いが持たれています。国が指定した貴重な文化財が汚されたとして、警察が経緯を詳しく調べています。
問題となったのは、薬師寺に納められている国宝の仏足石です。仏足石は仏の足の裏の形を石に刻んだもので、寺を代表する貴重な文化財の一つとされています。今回の事件が起きたのはことし4月で、その大切な国宝に液体がかけられたとされています。
警察によりますと、蔡容疑者は薬師寺の仏足石に液体をかけて汚した疑いが持たれています。かけられたのは油とみられる液体で、国宝の表面が汚される結果となりました。信仰の対象であり文化財でもある仏足石が汚損されたことで、事件は重く受け止められています。
蔡容疑者は警察の取り調べに対し、みずからの行為を認める趣旨の供述をしているということです。容疑者は、自分は感動したものに油をかけて祈祷するので、仏足石にも油をかけたと思うと述べているとされています。信仰的な動機を語りながら、液体をかけたこと自体は認めているとみられます。
逮捕された蔡容疑者は台湾出身で、みずからは司会業を営んでいると説明しているということです。国内に住む人物ではなく、海外から日本を訪れていた人物が国宝を汚した疑いで逮捕された点も、今回の事件の特徴となっています。
捜査関係者などによりますと、蔡容疑者は事件が起きた当時、旅行で日本を訪れていたということです。その後、容疑者はいったん日本を離れて帰国していて、事件からしばらくのあいだ、身柄の確保には至っていませんでした。
そして、蔡容疑者が再び日本に入国したところを、警察が逮捕しました。海外に出国していた容疑者を、日本への再入国のタイミングで捕まえた形です。警察は文化財保護法違反の疑いで、事件の詳しい状況やいきさつについて調べを進めています。
