大阪府岬町で、同居していた高齢の母親を踏みつけて死亡させたとして、無職の五十八歳の息子が傷害致死の疑いで逮捕されました。警察によりますと、この息子は八十歳の母親に対して暴行を加え、死亡させた疑いが持たれています。母親は長年、この息子と二人で暮らしていたとされ、家庭のなかで起きた痛ましい事件として、警察が経緯を詳しく調べています。
調べによりますと、亡くなった母親は肋骨が八本折れており、その傷が原因となって外傷性ショックを起こし、死亡したとみられています。さらに、母親の体には折れた肋骨のほかにも複数のあざが確認されたということです。こうした傷の状態から、警察は一度きりの暴行ではなく、日常的に暴行が繰り返されていた可能性があるとみて、慎重に捜査を進めています。
事件が明らかになるきっかけとなったのは、息子自身による通報でした。息子は消防に電話をかけ、母親が息をしていないという趣旨の連絡をしたとされています。その際、自分が母親に暴行を加えたことや、体を強く押さえつけたことなどについても話していたということで、駆けつけた救急隊や警察によって、母親の死亡が確認されました。
警察の調べに対し、息子は容疑を認めているということです。動機については、母親の介護によるストレスがあったと供述しているとされ、介護に疲れ、いらだちを募らせるなかで、日常的に暴行を加えていたという趣旨の説明をしていると伝えられています。長期間にわたる介護の負担が、深刻な事態につながった可能性が浮かび上がっています。
この母子は十年以上前から二人で暮らしていたとされ、高齢の母親の世話を息子が担う生活が続いていたとみられています。家庭内での介護は外から様子が見えにくく、周囲が異変に気づきにくいという特徴があります。今回の事件でも、暴行が繰り返されていた疑いがあるなかで、なぜ事態を防げなかったのかが問われることになりそうです。
警察は、母親の体に残された複数のあざや、折れた肋骨などの傷について、いつ、どのようにして負ったものかを詳しく調べています。日常的な暴行があったのかどうかを裏付けるため、母親の体の状態や、これまでの生活の状況などを丁寧に確認し、事件に至るまでの経緯の解明を進めていく方針です。
介護を担う家族が孤立し、負担やストレスを一人で抱え込んだ末に、こうした痛ましい事件に至るケースは、これまでにもたびたび報じられてきました。高齢化が進むなかで、介護をする家族への支援や、周囲や行政による見守りの重要性が改めて浮き彫りになっています。警察は事件の全容解明を進めるとともに、背景にある事情についても調べを続けています。
