10月29日発売の新作剣戟ACTを北京で6時間先行プレイ。ソウルライクとは異なる、攻め続ける快感と武侠世界の深淵を探る。
北京での試遊会では、S-GAMEの新作『Phantom Blade Zero』のビルドを約6時間叩き込んだ。10月29日の発売直前というタイミングで、序盤の探索からボス戦まで核心を触れた。映像で受けていた「派手で高速」という印象は、実機操作では少しずれていた。
一見するとソウルライク的な緊張感や分岐マップがあるが、手触りは『黒神話:悟空』や『Stellar Blade』に近いストーリーベースのACTだ。広大なオープンワールドではなく、チャプターごとに一本のマップを詰めていく構成。この設計により、中だるみしにくく、区切りを付けて進行できるのが好印象だった。
不穏な美しさが織りなすカンフーパンクの世界
フィールドを歩くだけでも惹き込まれる「カンフーパンク」の世界観が本作の魅力だ。雄大な自然と廃れた寺院、澄んだ渓谷に張り巡らされた無数の深紅の糸。邪気を覚えながらも雅に感じさせる歪な光景が、足を自然と止めさせる。
歪な空間の背後には必ず理由があり、敵や世界観の説得力にもつながっている。ネタバレを避けるが、そうした背景が想像力を掻き立て、単なる風景描写に留まらない深みを生んでいる。歩くだけで物語を感じられる世界構築は、ACTとしての体験を豊かにしてくれる。

殺気管理と武器切り替えが生む攻めの快感
戦闘では、主人公「ソウル」が一般的なソウルライクのPCほど脆弱ではない。カンフーパンクを題材とするだけあって、アクションは軽快で、流れるような剣捌きで連撃を繰り出し、敵を倒し切ることすら可能だ。ただし、グレードの高い敵は攻撃を弾くため、殺気を削って体勢崩しを誘発させ、隙に畳みかける戦い方が中心となる。
殺気は強攻撃、パリィ、特殊武装のファントムエッジで削れるが、ソウル自身にも備わっており、防御や強攻撃の使用で消耗する。ここがリソース管理の鍵であり、武器種を切り替えると殺気が回復する。体感としては、リソースを意識しながらも敵を攻め立て続ける、オフェンス寄りなバトルデザインだ。このスピード感に慣れると、自分のプレイを後から見返したくなるほどの快感がある。

ボス戦に潜むリズムと、慎重さの罠
ボスバトルには明確な「リズム」のようなテンポが宿っており、そこに自分のプレイングが噛み合えば、意外なほどあっさり倒せてしまう場合もある。絶え間ない連続攻撃でボスの体力と殺気を削りつつ、差し込まれる攻撃を適切に捌く。この攻防のバランスが崩れると、随所に見え隠れするソウルライクの片鱗が牙を剥き、あっけなく死亡してしまう。
特に注意すべきは、戦いが長引くほど避けるのが難しい強力な攻撃を繰り出してくる確率が高まる点だ。慎重に戦おうとすればするほど、ボスとのダメージレースにも負けやすい。筆者が苦労したボスを楽々と倒せる人もいれば、その逆も然りで、難易度には個人差が見られる。しかし、ボスバトル特有のテンポを掴みやすいのは、リスキーかつ大胆に立ち回った場合である。速戦即決を意識する方が、結果的に効率よく勝利を収められるのだ。

寄り道を促す設計と、NPCとの再会
約6時間の試遊の中で最も印象に残ったのは、プレイヤーの「寄り道」を促す作り込みだった。マップには小規模な集落が存在し、そこでNPCからサブクエストを受注できる。面白いのは、この引き受けたクエストがその場限りの出来事で終わらないことだ。序盤の渓谷で見かけたNPCのクエストを進めた結果、マップが切り替わった先の別の集落で再会し、その後の進展を知れる場面がある。
NPCとの再会を気に掛けながら旅を続けることで、ただメインストーリーを追うだけにはなりづらい設計になっている。本筋から外れたコンテンツにも個性的な武器や戦闘体験が用意されており、派手なエフェクトと扱いやすい性能を兼ね備えたものもある。物語だけでなく、戦闘面からも寄り道したくなる動機が作られており、この設計はゲーム全体の厚みを生み出している。
10月29日発売に向けた総括と期待
約6時間のプレイを通じて得た全体的な所感は、本作が単純に「ソウルライク」とカテゴライズできるハードアクションではないという点だ。軽快なアクション、リソース管理、そして世界観と寄り道が織りなす体験は、ACTとしての完成度が高い。ボス戦のリズムを掴む快感、武侠世界の不穏な美しさ、NPCとの絆。これらが一体となった体験は、10月29日の発売を待ちきれないほど期待を高める。
難易度には個人差があるため、慎重派のプレイヤーも大胆派のプレイヤーも、各自のプレイスタイルに合わせた立ち回りを模索する楽しみがある。この試遊体験は、映像からは伝わらない本作の真実を如実に示していた。発売日が近づくにつれて、この「リズム」を自分のものにして、カンフーパンクの世界を駆け抜ける準備ができているだろうか。
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