2025年の訪日外国人は約4,268万人、消費額は約9兆5千億円と過去最高を記録した。2026年も高い水準が続くなか、和食は旅の大きな目的として存在感を高めている。
近年、日本を訪れる外国人観光客の数が大きく増えている。有名な観光地だけでなく、地方の落ち着いた街を歩いても、さまざまな国からの旅行者を見かけるようになった。その多くが、日本ならではの食文化、いわゆる和食を旅の大きな楽しみの一つとして挙げており、食は観光の重要な要素になっている。
政府や観光関連の機関が公表するデータからは、インバウンド、すなわち訪日外国人旅行の勢いをはっきりと読み取ることができる。ここでは、最新の訪日客数や消費額の動きを整理しながら、旅の目的として存在感を増している日本の食の魅力について、改めて考えてみたい。
訪日客数は高い水準を維持
政府観光局などの発表によると、2025年に日本を訪れた外国人旅行者は約4,268万人にのぼり、過去最高を記録した。旅行消費額も約9兆5千億円と3年連続で過去最高を更新しており、インバウンドが日本経済にとって非常に大きな存在となっていることがうかがえる。
2026年に入っても高い水準が続いている。報道によると、2026年上半期の訪日外客数は2,108万4,800人だった。前年同期の2,151万8,575人と比べると2.0%の減少となり、過去最高だった前年には届かなかったものの、依然として非常に多くの旅行者が日本を訪れていることがわかる。
消費額は過去最高を更新
人数だけでなく、旅行者がお金を使う額も大きな注目を集めている。観光庁の調査によると、2026年1月から3月の訪日外国人旅行消費額は2兆3,378億円で、前年同期と比べて2.5%増加した。旅行者一人ひとりの支出が伸びていることが、全体の消費額の増加を力強く支えている。
続く4月から6月の消費額はさらに大きかった。同じ調査によると、この時期の訪日外国人旅行消費額は2兆5,096億円に達し、一人当たりの旅行支出は24万4千円となった。円安なども背景に、旅行者が日本での買い物や食事に積極的にお金を使っている様子が見て取れる。
国や地域による違い
訪日客の内訳を見ると、国や地域によって傾向がはっきりと分かれている。報道によると、2026年上半期は韓国が567万5,100人、台湾が397万2,200人、米国が182万1,700人と、いずれも前年同期を上回り、東アジアや欧米からの旅行者が引き続き日本の観光を支えている。
一方で、大きく数を減らした国もある。同じ集計によると、中国からの旅行者は205万8,200人で、前年同期と比べて56.4%の大幅な減少となった。訪日客全体の人数がわずかに減った背景には、こうした特定の市場の落ち込みが影響しているとみられており、今後の動向が注目されている。
旅の目的としての和食

こうした旅行者の多くが強く期待しているのが、日本での食事である。和食は2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されており、その繊細な味わいや美しい盛り付け、そして季節の移ろいを大切にする姿勢は、海外から訪れる旅行者からも非常に高く評価され、注目を集めている。
寿司やラーメン、天ぷら、そば、和牛など、日本の料理は世界的にも知名度が高い。旅行者にとっては、本場の日本でこうした料理を実際に味わうこと自体が旅の大きな目的となっており、有名な食や地域の名物を目当てに、わざわざ遠くの地方の街まで足を運ぶ人も少なくない。
食は旅の大きな楽しみ
旅行における食の役割は、年々大きくなっている。宿泊や買い物と並んで、飲食はその旅全体の満足度を大きく左右する重要な要素であり、その土地ならではの新鮮な食材や郷土の料理をゆっくり味わうことは、多くの旅行者にとって忘れられない大切な思い出になっている。
日本各地には、それぞれの風土や歴史に根ざした郷土料理や名物がある。旅行者が地方を訪れ、その地元ならではの食を味わうことは、地域の経済にとっても大きな意味を持つ。食を通じた観光は、大都市だけでなく、これまで注目されにくかった地方にも旅行者を呼び込む大きな力を秘めている。
訪日客数と消費額がともに高い水準を保つなか、日本の食はこれからも世界中の旅行者を引きつける大きな魅力であり続けるだろう。世界に誇る和食をきっかけとして、より多くの人が日本各地を訪れ、その土地ならではの味と文化に直接触れることが期待されている。

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