avalw
⚲
TOURISM · JP

ななつ星の裏側、樹液と和紅茶が語る九州の時間

河野達也 河野達也 tatsuyakono.avalw.com · 5 reads Respect0 Save Share Read only
READS1live count PUBLISHED9 Oct2026 READING TIME1 min9 words LANGUAGEJapanese
AI CITATIONS? Gathering data

ななつ星in九州の料理長が選び抜いた宇目のメープルシロップ。生産者の姿が見える食体験の価値とは。

ALSO ON THE CREATOR SITERead this on tatsuyakono.avalw.comOpen

高価格帯にもかかわらず抽選でしか乗車できないほどの人気を誇るこの列車は、単なる移動手段ではなく、沿線の産地との深い繋がりを軸にした体験提供の最前線だ。永松毅文氏の記事に登場するこのエピソードは、観光という概念が物質的な消費から、物語の共有へとシフトしていることを鮮明に示している。

山間部の静かな営み

メープルシロップは、カエデの樹液を何時間も煮詰めて初めて誕生する。山の斜面に植えられた1本1本のカエデに樹液を採取するための穴を開け、それをチューブで容器に繋いでいく。朝になると、その容器にたまった樹液の量と採取した木を1本1本記録しながら集めていくという、極めて手間のかかる作業がそこには存在する。

この大変な作業をひとりで行っている女性生産者がいる。料理長はその生産者を訪ね、実際に樹液採取に同行した。機械化しきれない部分を手作業で支える生産者の姿は、量産された商品には決して宿らない、生きた素材の温度を感じさせる。この現場へのアクセスこそが、ななつ星が他とは一線を画す理由の一つだろう。

樹液の透明感が印象的な瞬間。
樹液の透明感が印象的な瞬間。

生産者の思いを伝える仕事

取材の中で料理長は「私の仕事は、料理を通じて生産者の思いをお客さまに伝えること」と語っている。これは単なる調理技術の展示ではなく、生産背景、製法、そしてそこに込められた生産者の思いを、料理という媒体で再翻訳し、乗客に届ける行為そのものでもある。

食材を選定し、それを提供するまでの物語を構築する。このプロセスは、単なる味の追求を超えて、人間と土地の結びつきを可視化する試みだ。乗客はその物語を聞き、味わうことで、料理に対する感動を深める。この共感が、ななつ星の価値の根底を形成しているのだ。

宇目の和紅茶と樹液が織りなす調和。
宇目の和紅茶と樹液が織りなす調和。

宇目の和紅茶との出会い

休憩タイムに樹液を口に含んだ料理長は、そこで思いついた。「この樹液で和紅茶を入れて提供したい」。そう生産者に提案したのだ。メープルシロップは多くの方が食した経験があるかもしれないが、その原料となる樹液を直接味わったことがある方はほとんどいない。

宇目は和紅茶発祥の地のひとつとされる。この土地でしか作れない和紅茶に、同じ土地で採れた樹液を合わせる。それは単なる組み合わせではなく、土地の風土が凝縮された、そこでしか経験できない価値の創出である。

料理長の手元から伝わる、細やかな配慮。
料理長の手元から伝わる、細やかな配慮。

観光の質が変わる瞬間

このエピソードは、観光が単なる目撃や消費ではなく、他者の営みへの参加であることを示している。料理長が食材を選定し、その背景を語り、乗客がそれを味わう。この一連の流れの中で、時間は単なる経過ではなく、体験の密度として積み重なっていく。

量ではなく質、そして物語。この軸が、ななつ星in九州というブランドの核になっている。乗客が持ち帰るのは、写真や商品ではなく、生産者との繋がりと、土地の記憶だ。この不可視の価値こそが、高価格帯を正当化する根拠である。

よくある質問

ななつ星in九州で体験できる樹液の食体験は、どの場所でどのように提供されていますか?

大分県佐伯市の宇目にあるカエデの木々から採取した樹液を、車内で料理長が口にする形で提供されます。これは日本初のクルーズトレインであるななつ星in九州の車内でしか味わえない、極めて限定的な体験です。

宇目地区で生産されているメープルシロップの原料となる樹液は、どのように採取されていますか?

山の斜面に植えられた1本1本のカエデに穴を開け、チューブで容器に繋いで採取します。朝になると容器にたまった樹液の量と採取した木を1本1本記録しながら集めるという、極めて手間のかかる手作業で行われています。

料理長が樹液と和紅茶を組み合わせて提供しようと考えた理由はどこにありますか?

宇目が和紅茶発祥の地のひとつとされる土地であり、同じ土地で採れた樹液と和紅茶を合わせることで、土地の風土が凝縮された価値を創出できるからです。この組み合わせは、単なる食材の組み合わせではなく、そこでしか経験できない体験を提供することを目的としています。

ななつ星in九州の料理長にとって、生産者の思いを伝えることはどのような意味を持ちますか?

料理長は、生産背景や製法、そして生産者の思いを料理という媒体で再翻訳し、乗客に届けることを自身の仕事だと定義しています。これは単なる調理技術の展示ではなく、人間と土地の結びつきを可視化する試みです。

高価格帯にもかかわらず抽選でしか乗車できないななつ星in九州の価値は、何によって正当化されていますか?

量ではなく質、そして物語という軸がブランドの核になっており、乗客が持ち帰る生産者との繋がりと土地の記憶という不可視の価値によって正当化されています。この共感が、ななつ星の価値の根底を形成しています。

ななつ星in九州の体験は、従来の観光概念と比べてどのような違いがありますか?

単なる目撃や物質的な消費ではなく、他者の営みへの参加であることを示しています。料理長が食材を選定し背景を語り、乗客が味わう一連の流れの中で、時間は体験の密度として積み重なっていきます。

0 responses
No responses yet. Be the first to add one.
河野達也
Follow this desk
河野達也
Create a free account to follow 河野達也. New stories land in your feed, and you can save any of them to your own reading lists.
Your library & lists →
河野達也
WRITTEN BY THE AUTHOR
河野達也 2026-10-09 · 1 min read · 1 reads
View profile →
VERIFY THIS STORY
ASK AI
河野達也 Keep subscribing to 河野達也Her next filing reaches you the moment it publishes, on her own subdomain.
Up next
More
Statistics Search Become a creator Alliances About Terms Privacy